侍ジャパンにとって思わぬ〝朗報〟が浮上している。ブルージェイズのホセ・ベリオス投手(31)がプエルトリコ代表として保険問題の影響により、WBCの決勝トーナメントでも登板できない可能性が高まったと、米メディア「ファンサイデッド」が報じた。

 同記事によれば、ベリオスはプエルトリコ代表として今大会への出場を強く希望していたが、代表チームで投げるために必要な保険契約が承認されず、大会合流は二転三転。プエルトリコ代表のヤディエル・モリーナ監督(43)が一時は「合流可能」と発表したものの、その後、同代表でGMを務めるカルロス・ベルトラン氏(48)が「実際には保険が下りていない」と訂正し、準々決勝以降の出場も事実上見送られることになったという。

 プエルトリコは決勝トーナメントに進出しており、本来なら先発陣の柱となるはずだったベリオスの不在は大きな戦力ダウンだ。そして、この動きは侍ジャパンにも無関係ではない。日本は14日(日本時間15日)の準々決勝でベネズエラと対戦。ここを突破すれば、16日(同17日)の準決勝では13日(同14日)の準々決勝「イタリア―プエルトリコ」の勝者とぶつかる。つまりプエルトリコが勝ち上がれば、結果次第で日本と対戦することも十分に考えられる。

 その意味で、MLB通算108勝、オールスター2度選出の実績を誇る右腕の離脱は、日本にとっては無視できない材料だ。ベリオスはブルージェイズの先発ローテーションを長く支えるタフネス右腕。2023年大会でも代表入りし、国際舞台の経験も豊富で、仮に万全の状態で登板すれば侍打線にとって厄介な相手になる可能性は高かった。

 一方でべリオス本人にとっては、無念の決定でもある。13年大会で19歳の若さでWBCデビューを果たして以来、2017年、2023年と出場してきたが、今回も代表マウンドに立つ機会は消滅。米メディアは「奇妙な一日だった」として、合流→撤回という混乱ぶりを伝えている。

 ただし、ベリオス自身はすでに気持ちを切り替えている。昨季はシーズン途中まで防御率2点台を維持しながら後半に失速するなど波のある一年となったが、今春のキャンプでは10回2/3を投げて7奪三振、4失点とまずまずの仕上がり。球速とテンポの回復も見られているという。

 WBCの夢は再び遠のいたが、焦点は今季から侍ジャパン・岡本和真内野手(29)も加入するブルージェイズでの完全復活へ――。そして侍ジャパンにとっては、決勝ラウンドの潜在的難敵が一人消えた形となった。世界一連覇を狙う日本にとって、この〝保険問題〟は小さくない追い風かもしれない。