ソフトバンクの助っ人左腕が、侍ジャパンに立ちはだかる〝伏兵〟の名前を挙げた。12日の巨人とのオープン戦(みずほペイペイ)で、8回に3番手として登板したダーウィンゾン・ヘルナンデス投手(29)は1回を2奪三振無失点。ここまで失点を喫した登板もあったが「点を取られた試合も感覚は悪くなかった。自信を持って投げられている」と、調整は着実に進んでいる。

 その左腕が熱視線を送るのが、14日(日本時間15日)にマイアミで行われるWBC準々決勝(ローンデポ・パーク)の日本―ベネズエラ戦だ。2023年の前回大会では自身もベネズエラ代表の一員として出場。今回は母国を応援する立場となるが、現在自身がプレーする日本との対決を興味深く見つめている。

 ヘルナンデスは「日本はもちろん強い。でもベネズエラもドリームチームだ」と言い切った。今大会のベネズエラ代表はメジャー屈指の破壊力を誇るロナルド・アクーニャ・ジュニア外野手(28=ブレーブス)、3度の首位打者に輝いたルイス・アラエス内野手(28=ジャイアンツ)ら、スターをずらりとそろえる豪華布陣。その中で左腕が「鍵になる」とみるのが、主将を務めるサルバドール・ペレス捕手(35=ロイヤルズ)だ。

ベネズエラ主将のペレスが怖い存在に?(ロイター)
ベネズエラ主将のペレスが怖い存在に?(ロイター)

 今大会で4大会連続出場となるベテランは、ここまで捕手やDHで先発出場を続けながら打率2割1分4厘と本来の数字は残せていない。それでもヘルナンデスは、短期決戦の大一番ほどペレスのような経験豊富な選手が怖さを増すとみている。「アクーニャたちは若くて勢いがある。怖いものなしでプレーできる。でもペレスはベテラン。経験がある分、頭を使ったプレーができる」。勢いではなく、場数に裏打ちされた勝負勘。それこそが、日本にとって厄介な要素になるという見立てだ。

 さらに左腕は、ここまでの不振すらペレスにとってマイナスではないと読む。「打てないとファンからかなり批判される。だからこそ、そういう時に火がつく選手でもある」。大舞台で浴びる重圧も、百戦錬磨の主将にとってはむしろ〝燃料〟になり得るというわけだ。

 侍ジャパンにとって、準々決勝は優勝争いの行方を左右する最初の大きな関門となる。鷹の助っ人左腕が注目するベネズエラの主将を、日本は封じ込められるか。豪華打線の中でも、勝負を左右するのは一発のあるスターではなく、経験を知り尽くしたベテランかもしれない。