WBC2連覇へ向け11日、米国フロリダ州マイアミに到着した侍ジャパン内で大谷翔平(31=ドジャース)の「闘将化」が話題となっている。日本は1次ラウンドC組を無傷の4連勝で突破。準々決勝(14日=日本時間15日)に挑む。そんななか侍ベンチでの大谷の「ある振る舞い」がチームを鼓舞し続けているという。
侍ジャパンの1次ラウンド無敗のMVPは、何といっても野手のMLB勢。大谷に加え、鈴木誠也(31=カブス)、吉田正尚(32=レッドソックス)の働きが突出していた。
大谷は初戦・台湾戦(6日)で先制グランドスラム、韓国戦(7日)で同点弾と常に試合の鍵を握る場面で躍動を見せると、鈴木も韓国戦で2発4打点、8日のオーストラリア戦では、60年ぶりの「天覧試合」でナインが苦戦したなか、吉田が起死回生の逆転2ラン。この3人のバットがなければ、3連勝1位での米国行き決定はなかっただろう。
その「メジャー3人衆」の中で頭一つ抜けているのが大谷だ。2015年の日本ハム時代に参加した「プレミア12」から侍ジャパンでの大谷を知る代表関係者も「体つきもそうだけど、雰囲気。MLBの世界でもまれると、こんなにも違うのかと。全然、これまでと違う」と、いい意味で〝空気感〟が全く別物と明かす。
チーム内での立ち位置でもしかりだ。今大会では「DH」での登録で、日本が守備に回っている時間は、フィールドに背番号16の姿はない。大谷はこの時間、ベンチ裏で次の打席へ向けた準備をしている以外は、侍ベンチの本塁側、最もバッターボックスに近い位置に君臨。その場所は、井端弘和監督(50)の目の前のポジションで「グラウンドでの司令塔ともいえる、試合に出ている捕手が座っている場所」(同関係者)にドッカリと腰を下ろし、常にチームを鼓舞する姿を見せている。その姿に別のナインも「もう、リスペクトしかないです」と大谷の〝闘将化〟に感化されている。自分が先頭に立ち、チームを結束させていくという大谷の心意気の表れとも言えそうだ。
もちろん、態度だけではない。グラウンドでの「実行力」も他の侍たちの模範だ。6日の初戦前のミーティングでは、井端監督からこんな訓示があった。その内容は「フワフワと試合に入って、立ち遅れすることのないように」というもの。あくまで、自分たちから〝仕掛ける〟積極的なスタイルで、最初から試合を支配していくという意図だろう。
すると、大谷は指揮官のこのゲキをさっそくバットで体現した。「1番・DH」でプレーボールがかかった直後の初球を右翼線にはじき返す二塁打。国際大会の初戦の「入り」は誰もが緊張と隣り合わせになる場面。そんななかで一打は「ヒット1本以上の価値があった」と首脳陣をうならせた。
日本球界で「闘将」といえば中日、阪神、楽天で監督を務め、2008年北京五輪で代表を指揮した故星野仙一氏。現役時代も闘志あふれる投球でチームを引っ張った。今の大谷はまさにそんな「闘将」の姿が乗り移ったかのようだという。
大谷自身、大会前に「合流するたびに年々下の世代の人が増えていくので。年取ったなと思う」と、代表での立場の変化に言及。侍の「兄貴分」になったことを自覚する日の丸の背番号16が「俺について来い」とばかりに、これまでよりも格段に増した存在感で、日本のWBC連覇へチームをけん引する。












