WBC1次ラウンド・C組の台湾―オーストラリア戦(東京ドーム)で台湾がオーストラリアに0―3で敗戦。波乱の幕開けとなった。

 一発攻勢に泣いた。序盤から両チームの投手陣が好投し試合は拮抗。なかなか得点に結びつかない展開が続く中、0―0の5回にオーストラリアのR・パーキンスが試合を動かす先制2ランを右中間スタンドに叩き込むと、2―0の7回には1番・バザーナが追撃のソロを放ち点差はさらに拡大。なんとか9回に二死一、三塁のチャンスを作ったものの本塁は遠く、零封負けを喫した。

 台湾にとっては1次ラウンド通過のために必勝が期待された一戦だっただけに、あまりにも痛すぎる敗戦。曾豪駒監督(46)は試合後の会見で「応援してくれたファンの皆さんに感謝申し上げます。わざわざ日本に来てくださった方もいたのに、望んだ結果にならなかった責任は私にある。調整をうまくできませんでした」と平身低頭。試合中に左手に死球が直撃し無念の途中交代となっていた主将・陳傑憲の状態については「詳しい状況は明日に。今はトレーナーが見ている」と語るにとどめた。

 前評判を大きく覆す形でオーストラリアが挙げた金星。SNSやメディア各社の見出しにも「波乱」「まさか」の文字が並んだが、台湾サイドの反応は意外なものだった。台湾球界関係者は「正直なところを言うと、打線が苦戦する可能性はかなり高かった。世間では必勝と予想されていたオーストラリア戦も負けても不思議ではない状態だった」と証言。一体なぜなのか――。

「WBC前に行われた強化試合や練習試合でも打者の調子がなかなか上がらず、本番に向けて不安が残る調整内容だった。オーストラリア戦も、このままの状態で臨んだら3点差くらいで打ち負けることもあるのでは…と最悪の可能性についても危惧していたが、現実になってしまった」(前出関係者)

 大会直前にして打線の調子は平行線が続く中、宮崎で予定されていた強化試合の一部は雨天中止となり実戦機会も減少。台湾のファンの熱烈な声援とは裏腹に、台湾代表には確かな暗雲が立ち込めていた。この日は不安が的中する敗戦となってしまった台湾は翌6日に日本と対戦。1次ラウンド突破に向けて絶対に負けられない戦いが続くこととなり、戦況は幕開けから厳しいものとなった。