DeNAは4日の楽天戦(横浜)に8―7でサヨナラ勝ちし、連敗は2でストップ。終盤8回から7点のビハインドを引っ繰り返す劇的なゲーム内容で、借金を5に減らした。

 先発マウンドを託されたエース・東が初回から4本の長短打&3つの四死球で4点を失う悪夢のような幕開け。慢性的な貧打に泣く打線はこの日も7回まで無得点と沈黙し、8回には4番手・堀岡が1回1安打3失点と炎上しスコアは0―7。「きょうは負けかなと(笑い)」(伊勢)とナインですら敗北を覚悟した直後、ハマスタに突如狂乱の嵐が訪れた。

 8回、先頭打者として打席に入った蝦名が右中間を割る三塁打で出塁すると、打席に入ったのは右太もも裏の肉離れから復帰したばかりの牧秀悟内野手(28)。カウント2―2からの5球目を中前へ弾き返し、復帰後初となる適時打をマーク。スコアボードにようやく、この日最初の得点を刻む。

 それでもスコアは1―7。焼け石に水程度のものでしかなかったが、カムバックを果たした主砲の一撃で沸いたベイ党たちのボルテージは、生贄とされてしまった楽天投手陣たちの心身を徐々にむしばんでいく。ここから打者一巡の猛攻を開始したマシンガン打線は3つの四死球に連打も挟み、気付けばスコアは5―7。なおも二死満塁とすると、ここでもう一度打席に入ったのは千両役者・牧だった。

 異様なムードで球場全体が盛り上がる中、ハマの主砲は冷静に初球のカットボールを強振。相手遊撃手のグラブをわずかにかわした白球は、左前へ転がる同点の2点適時打となった。

 幕切れもまた劇的だった。7―7の9回に先頭・度会の四球などで二死一、二塁のチャンスをつくると、神里の打席で相手右腕・西垣が暴投。ここで代走として起用されていた二走・三森が思い切りよく三塁を蹴り長躯本塁へ突入。判定はアウトとなったが、「三森が『絶対セーフ』って言いながら帰ってきたので」相川監督は即、リプレー検証を要求する。

 審判団が映像を確認した結果、捕手のタッチをかいくぐりながら右手で本塁を触れていたことが認められ、判定はセーフに覆る。この瞬間、大歓声とともに相川ベイの7点差逆転サヨナラ勝ちが決定した。

 お立ち台に上がった牧は「まずはこの舞台に戻ってくることができて良かった。8回の同点打はそこまでつないでくれた皆さんのおかげ」と充実感を漂わす。殊勲の〝忍者走塁〟で熱戦に終止符を打った三森は「あれは結構自信があった。キャンプ中に取り組んでいたものが形になった。年に何回もないプレーですがみんな準備をして、常に走塁を心がけている」と胸を張る。

 大逆転勝利を収めた相川監督は「本当に粘り強く、全員諦めずに戦ってくれた。牧は空気を変えてくれる男。こういう勝利を力に変えてチームとして前に進んでいきたい」と相好を崩した。