【台湾・台北25日発】ソフトバンクは中信ブラザーズとの日台交流試合(台北)に7―3で勝利した。正木智也外野手(26)が決勝の3ランを放つなど、若手が異国の地で存在感を示した。試合後、小久保裕紀監督(54)は「台湾の応援に慣れているつもりだったが、初めてのドーム(での試合)で音がすごくて圧倒された」と振り返り、時折笑みを浮かべた。

 26日のWBC台湾代表との試合では、今季からホークスに加入した徐若熙投手(25)が先発登板予定。台湾の「至宝」とも呼ばれる右腕はこの日、前日会見に臨み「練習したことを全部出し切りたい」と気合を入れた。会見に集まった報道陣は80人以上。2023年に国内リーグのCPBLでMVPを獲得した右腕を、現地は熱烈歓迎ムードで包んだ。

 ただ、登板の先にあるWBCへ向けて状態を案じる声が漏れるのも事実だ。右腕は宮崎春季キャンプで、昨シーズン後半に崩れたフォームの矯正に着手。会見では「(首脳陣から)『一番スムーズな感覚で投げなさい』と言われていた。昔のベストな(投球の)動画を見たり、一番いいフォームを探した」とここまでの取り組みを明かした。WBCを直前に控える中、その仕上がりには現地でも視線が集まっている。

 台湾の球界関係者は「WBCにどういう状態で臨むか。春季キャンプでも試行錯誤していたと聞く。期待より心配の方が大きいかもしれない」と空気感を説明。その上で「いい契約をして(ホークスに)入団した。徐若熙の中にはおそらく多少の焦りもあると思う」と寄り添いながらも右腕の現状に不安を抱き、警鐘を鳴らす。仮にWBCで不本意な投球内容に終われば、新天地となるソフトバンクでのレギュラーシーズンにも悪影響を及ぼす可能性も否定し切れない。

 小久保監督は徐若熙の登板について「本人も登板をすごく楽しみにしている。台湾のファンにいいところを見せてほしい」と期待を込めた。台湾代表でもエース格としてけん引役が求められる右腕だけに、WBCでの躍進にはその働きが欠かせない。凱旋登板で現地の心配を杞憂(きゆう)に変えられるか。