第6回WBCで大会連覇を狙う日本代表は24日に宮崎合宿を打ち上げた。3月6日の1次ラウンド初戦(台湾戦=東京ドーム)に向けて強化試合も2試合消化し、徐々に本番モードに突入していく。実戦にはサポートメンバーも含めて計10投手が登板したが、2大会連続の世界一奪取へ〝魔球〟を着々と準備しているという。
14日から行われた合宿を終え、井端弘和監督(50)は「天候にも恵まれた。やりたいことは十分できたと思います」と振り返った。昨季の日本一に輝いたソフトバンクとの2試合(22、23日)では1勝1敗。結果を気にする段階ではなく、レギュラーシーズンと異なる公式球や、投球時間の制約などを実戦で経験できたことが収穫だろう。
今大会に選出された投手は山本(ドジャース)や菊池(エンゼルス)らMLB組を含めた14人で、伊藤(日本ハム)、宮城(オリックス)ら国内組の奮闘も欠かせない。そのNPB組のメンバーには〝共通点〟があるという。フォークやスプリット、チェンジアップなどの〝落ち球〟をウイニングショットにできる技術を兼ね備えていることだ。
侍関係者によると、代表選考にあたって「フォーク、スプリットで三振を奪える投手」を念頭に置き「制球面でWBC球でもNPB球と同様に扱えれば、確実に戦力となれる投手」をイメージしたという。
確かに、合宿に参加した国内球団に所属する投手は〝縦の変化〟を武器の一つとしている。こうした投手が多く選ばれた背景には、先々の戦いを見据えた「読み」もある。決勝ラウンド進出が見込まれる強豪チームには、MLBで活躍する米国や中南米系の強打者が多く選ばれている。そうした実力者たちを打ち取る術として「フォーク」が勝負球になる可能性が高いとみているのだ。
前回の2023年大会で投手コーチを務めたオリックスの厚沢和幸投手コーチ(53)は「今も初見で対戦する米国打者にとって『フォーク』は見たことのない軌道の球種になる。アマレベルでそれを投げる投手は、米国ではまずいないから」と有効性を指摘する。日本では一般的な変化球の一つではあるが、日米で野球の環境も異なるからだという。
「日本で落ち球を覚える場合、まずはフォークだけど、米国の場合はチェンジアップ。同じ落ち球でもバッター目線では全然違う。チェンジアップは一度止まってから落ちるけど、フォークは真っすぐの軌道のまま手元まで来てパッと落ちる。投球の際の手首の使い方も真逆だしね。チェンジアップはタイミングを外すことで打ち取る球種だけど、フォークは空振りを狙う球種。だから米国育ちの打者には、初見で対戦する投手のフォークは見たこともない軌道になり、空振りを奪える確率も高い」
かつてMLBに日本市場を切り開いた野茂英雄、米国内で行われた歴代の代表戦で上原浩治や岩隈久志が好投を演じたことも記憶に新しい。今回のWBCでも〝魔球〟のフォークを操れれば、侍ジャパンの連覇はますます現実味を帯びてきそうだ。












