ヤンキースの遊撃争いが、開幕前からざわついている。昨季中に悪化させた非投球側の左肩の部分断裂した関節唇を、アンソニー・ボルピ内野手(24)は昨年10月に手術。現在は春季キャンプで走塁や守備ドリルに復帰し、乾いたスイングから打撃メニューも再開した。ただしダイビングはまだ解禁されておらず開幕は負傷者リスト(IL)で迎える見通しとなっており、こうしたボルピの現状について米メディア「ヘビー」は詳細に伝えている。
ボルピ本人は手術後に「きれいに直ったのが分かった」と前を向くが、球団は「開幕は間に合わない」と判断。代役の先発遊撃はホセ・カバジェロ内野手(29)が濃厚で、復帰時期は4月を否定しつつも球団側は5月意向になるとみている。
復帰の最終関門は再び肩から飛び込むダイビングだ。昨年5月の試合中に守備で違和感を感じて以降、シーズン中に2度のコルチゾン注射を打ちながらプレーしていたことも明かされている。
米スポーツラジオ局「WFAN―FM」の人気パーソナリティーとして知られるトミー・ルガウアー氏は19日(日本時間20日)放送の同局番組内で、復帰後のボルピの扱いについてヤンキース側に「健康になっても先発を〝返す〟べきではない。戻ったら勝ち取らせろ。要は『自分で奪え』ということだ」と主張。「ゴールデンボーイで他の選手より自由にプレーできるというイメージがある」とも指摘し、チームの将来を担うスター候補としてボルピが優遇されていることに皮肉も添えた。
穴埋め役のカバジェロが好調のままベンチに下がり、ボルピが苦しめば、ファンの不満は“ブーイング”として一気に噴き出すだろうという理屈だ。
カバジェロは昨年7月31日にレイズから獲得したユーティリティで、内野を中心に複数ポジションをこなす。球団にとっては「守って走れる」現実的な〝保険〟でもある。一方のボルピは通算打率2割2分2厘、52本塁打で、23年に遊撃手としてゴールドグラブを獲得した。ヤンキースのスーパースターであり、同じ正遊撃手として名を馳せたレジェンドのデレク・ジーター氏(51)の「後継者」としてボルぺに期待がかけられていることは、NYYのファンならば誰もが知る流れだ。
ただ手術明けとなる今季は復帰と同時に〝定位置の更新〟がハードルとして立ちはだかることになる。黄金の看板を守るか、挑戦者に回るか――。ある意味でブロンクスの将来を左右する懸案事項の行方は、数字でしか出ない。












