随所に気合が詰まっていた。ミラノ・コルティナ五輪スノーボード男子ビッグエア(BA)決勝(リビーニョ・スノーパーク)が7日(日本時間8日)に行われ、予選3位の木村葵来(きら、21=ムラサキスポーツ)が合計179・50点をマーク。日本選手団金メダル第1号となった。丸刈りがトレードマークの若きスノーボーダーは、大舞台で〝キラキラ〟の輝きを放った。
土壇場で勝負強さを見せつけた。2本目でミスが出て「追い詰められた」と振り返ったが、最終3本目にバックサイド1980(5回転半)で90・50点をマーク。大逆転で頂点の座を引き寄せた。「五輪に出て金メダルを獲得するのは小さい頃からの夢。家族、コーチ、周りの人たちがより手厚いサポートをしてくださったので、このような結果でお返しすることができてうれしい」と声を弾ませた。
出身地の岡山は冬季競技が盛んな地域ではないが、4歳でスノーボードを始めた。14年ソチ五輪がきっかけで本格的に競技に取り組むと、才能を開花させた。しかし、24年9月に右足首の脛腓靱帯を損傷。昨季はケガの影響で思うような結果を残せず、五輪切符に黄色信号が点灯した。だが、フィジカル強化に努めたことで心技体が進化。地道な鍛錬が成果となって表れた。
米大リーグ・ドジャースのファンで、イチオシは大谷翔平投手。日本が世界に誇るスターに負けじと、猛者たちを相手に堂々たるパフォーマンスを披露。五輪本番を迎えても「予選の1本目を滑る直前までは、W杯と同じくらいの緊張感で滑ることができた」。大舞台でも物おじしない強メンタルで戦い抜いた。
髪形はスノーボード界では異質の丸刈りスタイル。今季のW杯序盤から髪を短くした。「前々から父には短くしろ、雑念を捨てろと言われていた。野球とかも見ていて、髪を短い選手を見てやってみたら、過ごしやすいし、いい感じで気合が入るので気に入っている」と頰を緩めた。
約10日後のスロープスタイルは、BAとの2冠が懸かった一戦となる。「もちろん金メダルを目指してやる」としながらも「自分のやれるべきことがやれればいい」と自然体を強調。五輪王者になっても、普段通りの姿勢を貫く構えだ。













