陸上女子100メートル障害で日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)は〝耐え〟の境地に入っている。

 木南道孝記念(10日、大阪・ヤンマースタジアム長居)の同種目決勝では、12秒90(向かい風0・5メートル)をマークして優勝。レース後には「スタートからの勢いがゴールまで落ちなかったところは良かったけど、手応えがない。何か走っていて、すんという感じでちょっと終わっちゃった」と振り返った。

 2024年12月に頸部リンパ節に良性の炎症が起きて発熱などが生じる菊池病を発症したと公表。「去年の今頃は家にいたし、試合に出られていることがうれしい。幸せの基準がちょっと下がりつつあるところもなんか良くない。アスリートとして良くない」と苦笑いを浮かべたが、前を向いて走っている証拠。「レースをしていく中で、過去の自分というか、勝負師だった自分が戻ってくるんじゃないかな」と展望を語った。

 現在は試行錯誤を繰り返す日々。「タイムにつながらないとマイナスからは抜けられないけど、いつまでも自分の心地良いリズムで走っていても、その先はないのかなと思う。世界という領域には入っていけない」ときっぱり。理想の自分を目指し、懸命に戦う覚悟だ。