ストーブリーグも終盤となる中、ヤンキースの若手有望株ジェイソン・ドミンゲス外野手(22)を巡り、トレード放出論が再び熱を帯びている。だが、米メディア「ヤードバーカー」は、この流れに対して異例とも言える「待った」をかけた。類まれな潜在能力を誇ることから人間を超越する「火星人」と呼ばれ、球団の未来を託された存在を今このタイミングで手放すのは明らかに早計――。同メディアは、このようなトーンで「仮にドミンゲスを手放せば大惨事になる」と警鐘を鳴らし、問題提起している。
ドミンゲスは2023年9月のアストロズ戦、メジャー初打席でジャスティン・バーランダーから本塁打を放ち、衝撃的なデビューを飾った。しかしその後は故障に苦しみ、2シーズンの大半を欠場。昨季は打率2割5分7厘、10本塁打、23盗塁と一定の数字は残したものの「期待値」から見れば物足りなさが残ったのも事実だ。左投手への対応力や、左翼守備での不安定さも指摘され、ポストシーズンでは代打で一度しか起用されなかった。
こうした背景から今オフ、ヤンキースが右打ち外野手の補強を模索しているとの報道が出回ると、ドミンゲスは一気にトレード候補の筆頭に浮上した。左の強打者が並ぶ打線構成、控える若手スラッガーの存在、限られたロースター枠――。状況だけを見れば、放出論が出るのも無理はない。
それでも同メディアは「最善策とは限らない」と強調する。ドミンゲスは間もなく来月7日に23歳を迎えるとはいえ、通算打席数はまだ529。フルシーズン1年分にも満たない、データで見切るのは「危険だ」と言い切る。加えて、代替候補として名前が挙がるベテラン外野手たちは年齢や伸びしろの面で疑問符が付く存在ばかりだ。
さらに、数字を深掘りすると別の顔も見えてくる。昨季のドミンゲスは長打率こそ伸び悩んだが、バットスピードは上位80パーセンタイル、強打率も85パーセンタイルと、素材の良さは依然として際立っている。コンタクト率と打球角度がかみ合えば、成績が跳ねる可能性は十分にある。
ヤンキースはこれまでも若手育成で批判を浴びてきた。その歴史を踏まえれば「安値での放出」は後悔を生む選択になりかねない。忍耐か、即効性か。「火星人」の異名を持つ若手有望株の未来を左右する決断は、まだ先送りにすべき局面なのかもしれない。ブロンクスの空気は今オフ、静かにその答えを待っている。












