覇道を阻む刺客となるのか…。阪神が球団史上初となる2年連続のリーグ優勝に挑む。昨季は藤川球児監督(45)の下、他のセ5球団を投打で圧倒。死角は見当たらなさそうに映るが、チーム内部は全く楽勝モードではないようだ。味方だった頼もしい助っ人がライバル球団に移籍するなど、むしろ〝ヤメ虎〟たちへの警戒心が高まっている。

 昨季が指揮官就任1年目だった藤川監督は日本一こそ逃したものの、セでは無類の強さを発揮した。貯金は「31」に上り、2位のDeNAに13ゲーム差。今季はディフェンディングチャンピオンとして臨むことになる。

 最大の気がかりは来日1年目で先発陣の一角として6勝(3敗)、防御率1・39をマークしたジョン・デュプランティエ投手(31=DeNA)の存在だ。

 昨年8月以降のレギュラーシーズンには登板せず、復帰戦となったソフトバンクとの日本シリーズ第2戦(10月26日、みずほペイペイ)では2回途中7失点。苦い結果に終わったが、NPBでの実績は申し分ない。オフには去就が決まらないままハワイへの優勝旅行に参加。猛虎ナインとともに南国の楽園でバカンスを楽しむなどチームに溶け込んでいたが、最終的に新天地での挑戦を選択した。

 移籍先は同一リーグのDeNAで、まさに昨日の友は今日の敵だ。チーム内から上がった昨季のプレーへの評価は「細かなケガもあってシーズン終盤は投げられなかったが、シーズンの5分の3くらいは投げてくれた。もともと(メジャーやマイナーで)1年を通してマウンドに上がったこともなかったし、十分にやってくれた」というもの。その右腕が今度は自分たちの前に立ちはだかることになる。

 しかも日本球界での経験に加え、阪神サイドの起用法や捕手のリードなど〝内部情報〟にも精通するとあって厄介なことこの上ない。チーム関係者の一人は「正直やりたくないですよ」と本音を漏らし「球界一といってもいい投手。脅威になりますし、もし1年通して投げてこられたらと思うと恐ろしい」と警戒感を隠さなかった。

 DeNAは昨季まで先発陣を支えたジャクソン、ケイが退団となったが、補強を進めて戦力を整えつつある。さらに阪神から米球界を渡り歩き、昨季途中に加入した藤浪晋太郎投手(31)も在籍している。今年は春季キャンプからスタートできるとあって、いっそうギアを上げてきそうだ。

 くしくも、阪神を去ったデュプランティエと藤浪の〝ヤメ虎〟がDeNAにそろい、対策の難易度は格段にアップ。藤浪に対しても「やりたくないのは一緒ですよ」との声が漏れているのが現実だ。

 元猛虎戦士たちに足をすくわれるわけにはいかない。2年目の藤川虎は慢心することなく地固めを進めていく。