壁をはね返せるか──。ソフトバンクの小久保裕紀監督(54)が11月30日に来季から今宮健太内野手(34)に複数オプションを求めていることを明かした。プロ17年目を迎える今宮にとって、勝負の年が待ち受ける。

 この日は地元・和歌山で自身の名が冠された「小久保裕紀学童野球大会」に出席。子供たちと触れ合い、多くの地元関係者から日本一を祝福され「ありがたいですね」と口元を緩ませた。

 来年も喜びの声を聞くため、目線はすでに先へ向けられている。今オフのテーマは「一度壊す」。その改革はこれまで遊撃手としてパ・リーグ最多の1621試合に出場してきた名手にも及んだ。鷹将は今宮に「(遊撃)以外のポジションも試合の途中から起用があるかもしれないから準備しておいてくれ」と複数オプションを要請し、本人は「分かりました」と答えたという。

 今季の今宮はふくらはぎ痛などコンディション不良に悩まされ、出場は46試合にとどまった。その間に野村が遊撃として72試合で先発出場。野村は11月に侍ジャパン入りを果たすなどブレークし、世代交代の波を感じざるを得ないシーズンとなった。

 来季で今宮は35歳。どんな名遊撃手でも「30代半ば」には一つの大きな壁が立ちはだかる。現役では遊撃手の最多出場記録を持つ巨人・坂本は35歳で三塁に転向。過去には阪神の遊撃を長年守り続けた鳥谷が36歳のシーズンで三塁に移った。今宮は以前、「ショートとして需要がなくなれば、そこで終わる」とも口にしていた。チームの勝利のために指揮官から受けた提示は〝生涯遊撃〟への第一関門ともいえる。

 当然、期待が小さくなったわけではない。小久保監督は来季の遊撃手争いについて「(今宮と野村の)2人で勝負させます」とキッパリ。〝一騎打ち〟、そして年齢の壁にも打ち勝てるのか…。「もう一回ショートとして花を咲かせなさい」という指揮官の言葉に応えられるのか注目される。