どこまでも疲れない、壊れない――。6月の交流戦からソフトバンクの守護神に君臨した杉山一樹投手(27)は、底知れぬ体力の持ち主だ。今季はクローザーとして、一度もセーブ機会に失敗することなく31セーブを挙げてタイトルを獲得。2年連続の防御率1点台、パ最多65試合に登板するフル回転ぶりで、リーグ連覇と日本一奪回を下支えするMVP級の活躍だった。

 守護神という責任あるポジションを務め上げ、大きな勲章を手にした最速160キロ右腕は、すでに来季に向けて始動している。17日はみずほペイペイドームを訪れ、ウエートトレーニング。昨季もシーズン50試合登板をクリアし、今季は先月30日まで日本シリーズを戦い抜いた。例年になく心身の疲労度が濃かったことは想像に難くないが「疲れはすぐに取れました」とケロリ。改めて体の強さと無尽蔵のスタミナを証明した。

 今季は私生活を見直し、体質に合わせて食事にも気を配ったことで「体が疲れにくくなった」ことをより実感。安定した成績を重ねて自信につながったことが、大きな飛躍を後押しした。まさに進化が止まらない27歳。「3連投も、今年2回しかないですからね…」とリーグ最多登板にも物足りなさを強調するほどで、来季以降もキャリアハイの更新を期待せずにはいられない。

 実力と結果で、鷹の守護神に収まった杉山に慢心はない。「(今季は不振だった)オスナも帰ってくるし、松本さんも藤井さんもいる。もう1回、競争に勝って(抑えのポジションを)つかみ取りたい」と鼻息は荒い。進化を後押しする競争環境を歓迎し、世界的ポテンシャルをさらに磨く。