阪神は6日に和田豊一・二軍巡回コーディネーター(63)が、来季からヘッドコーチに就任することを発表した。今季はヘッドコーチを置かず、史上最速でのリーグ制覇を果たした直後の〝組織大改革〟。ヤクルトや近鉄などNPB5球団でのべ28年間、編成やコーチを務めた本紙評論家・伊勢孝夫氏が明かす「ヘッドコーチ論」とは――。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】今年はぶっちぎりで優勝してんのに、なんで人事組閣をいじるんかなとは思ったよ。ましてや1回監督やった人がヘッドコーチってのはあんまりないからな。
俺は藤本敦士(総合コーチ)でもよかったんちゃうのかって思うよ。ヘッドコーチの肩書をつけてしまうと、敦士は人を押しのけるようなタイプとちゃうから、上に立ってどうのこうのってよう言わんやろうけど。だから(ヘッドを置かず)作戦コーチぐらいでよかったんちゃうのって。
だけど森下みたいな、何を言われても「俺がやったる任しとけ」ってキャラやと敦士じゃ抑えられんやろうし。藤川球児監督も野手のことあんまりわからんやろうから、監督の経験もある和田コーディネーターを持ってきたんやろ。
チームを束ねるヘッドコーチっていうのは、基本的には欲のない人じゃないとあかん。〝将来的には俺が監督になったる〟っていう気持ちがある人は、逆に監督の足引っ張りにかかったりする場合があるやんか。うまくいかん責任を担当コーチにかぶせてしまったりするからな。
せやけど和田コーディネーターは監督におべんちゃら使うわけでもないし、かといって選手にいいように思われたからって、もう1回監督できるなんて考えてへん。1回やってしんどさもわかってるから、監督寄りでも選手寄りでもない、いつも中立に物事を考えられるとは思うよ。
監督とヘッドの理想、巨人でV9を達成した川上哲治監督―牧野茂ヘッド、あるいはオリックスでリーグ制覇、日本一を達成した仰木彬監督―中西太ヘッドの関係やろ。太さんは「わしは性格的に監督タイプとちゃう」って言うてたぐらいやから。やっぱり欲のある人は、ヘッドコーチには向かないと思うんや。
1回監督やってからヘッドをやるのは難しいやろうけど(来季は)投手陣があれだけそろってて、佐藤輝や森下もおるわけやからな。藤川監督と和田ヘッドがうまくかじ取りできるか楽しみではあるね。
(本紙評論家)












