「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ(エスコン)が11日に開幕し、パ2位の日本ハムが初戦で同3位オリックスを2―0で下し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。試合は戦前の予想通り日本ハム・伊藤大海投手(28)、オリックス・山下舜平大投手(23)の両先発の投手戦に。野球評論家の柏原純一氏は日本ハムの僅差勝利の要因として、投打にわたってわずかに〝粘り〟の部分でオリックスを上回ったことを挙げた。
【柏原純一「烈眼」】どちらが勝つにしろ、スコア的には、大方の予想通りの決着だ。戦前の予想通り、試合は日本ハム・伊藤、オリックス・山下の投手戦に。そんな中、投打に日本ハムナインの要所での粘りが光った。
最大の勝因は7回115球、4安打無失点の先発・伊藤の好投だ。短期決戦初戦の独特な緊張感の中、見事な仕事ぶりだった。4回までは150キロ超えの直球、140キロ後半のカットボールなど力で押す投球で7奪三振。中盤までに2点の援護をもらい、その直後は3者連続三振(3回)、5回は無死一、二塁のピンチで3番・紅林を遊ゴロ併殺に打ち取るなど、徐々に自軍に来た試合の主導権を盤石なモノにしていた。
一方で、4回は力で押す投球スタイルがやや頭打ちとなり、2四球で二死満塁とされ、この回だけで32球。この場面は結果、事なきを得たが5回までに87球。若干、球数がかさんだのが、気がかりな要素ではあった。
ただ、その後の配球のモデルチェンジが見事だった。6回以降、110キロ台のカーブ、130キロ台のチェンジアップを織り交ぜ、変化球主体でいい意味で脱力して、投球のテンポを取り戻した。終盤6回以降の2イニングを連続で三者凡退に。5回終了時の長いインターバルの間、体力を取り戻すと同時にもう一度自らを俯瞰し、強引にそれまでの配球を押し通すのではなく、抑える確率が高い配球を再度、模索して7回までを投げ切った粘りは見事だった。この点は、右腕をリードした捕手・田宮との共同作業が光った〝粘り腰〟とも言えるだろう。
打線は4回に山下の甘く入った初球の変化球の失投を見逃さず、一振りで仕留めた郡司の2点目ももちろん見事だった。だが2回の先制点は、個々がおのおのの〝仕事〟をこなした結果もぎ取った1点だった。短期決戦で早い段階でこの形で得点できたことにも価値がある。
先頭・郡司の二塁打から、田宮が犠打で走者を送り一死三塁から7番・万波が山下のフォークに食らいつき、三遊間を突破した。内野ゴロでも1点が入る可能性がある場面で、敵右腕の150キロ超の直球、落差のあるフォーク、そのどちらにも対応しようと、万波も追い込まれてからはコンパクトにスイングを変えるなど、各打者が状況に応じた役割を最後まで全うしようと心掛け、それが結実した得点だった。
7安打2得点だったとはいえ、5人がCS初安打を放ったのも、2戦目以降への好材料。少ない好機を生かして初戦を勝利したことに加え、2戦目以降のプラス要素もオリックスよりもはるかに多い形で試合を終えている。日本ハムとしては、このまま一気に2戦目でオリックスに引導を渡したいところだ。(野球評論家)












