全日本プロレスの「王道トーナメント」決勝戦(15日、東京・後楽園ホール)で、宮原健斗(36)が本田竜輝(25)との決勝戦を制し、3年ぶり3度目の優勝を果たした。

 真霜拳號、野村直矢を撃破して準決勝に進出した宮原は、この日の第2試合で関本大介と対戦した。秒殺狙いの関本に立ち上がりから攻め込まれ〝あわや〟の場面もあったが、いったん場外に出て呼吸を整えてから仕切りなおしてリングイン。その後も関本のパワーに苦しんだが、一瞬の隙をつくサムソンクラッチで押さえ込んで3カウントを奪い決勝に駒を進めた。

 優勝をかけて対峙したのは本田だ。羆嵐、デイビーボーイ・スミスJr.に続き、この日の準決勝で昨年度覇者の綾部蓮を破り決勝に駒を進めてきた。昨年、一昨年と準優勝で初優勝に一歩届かずにいる本田からは気迫のこもった攻撃を受けて後手に回るシーンもあったが、場外で強烈な頭突きを放つなど反撃に出る。だがすぐにドロップキックをかわされて逆エビ固めで悶絶させられるなど簡単にはペースをつかめず、一進一退の攻防となった。

 中盤には雪崩式ブレーンバスターで叩きつけたものの、すぐに立ち上がった本田から強烈なスピアーを受けてダブルダウンとなりカウントが進むなど、戦いはし烈なものとなった。その後も2人はエルボーを打ち合うなど、試合は消耗戦へと突入だ。すると終盤、本田からラリアート、ファイナルベントと必殺のフルコースを受ける大ピンチを迎える。それでも持ち前のタフネスで猛攻を耐えると、ブラックアウト(ヒザ蹴り)で打ち抜いてからシャットダウンスープレックスでアーチをかけて3カウントを奪った。

 大熱戦で会場を興奮のるつぼに導いた宮原は、本田を抱擁し健闘を称え合う。そしてマイクを持つと「王道トーナメント、優勝したぞ!」と叫び、続けて「一大心のこともあり…」と話し、言葉を詰まらせる。大会開始前に行われた長尾一大心さん(享年21)の追悼式では遺影も持った宮原は「全日本プロレスのレスラーは、みんな、一大心への気持ちをそれぞれのレスラーが今持っていると思います。一大心は北海道の釧路から、このプロレスのリングに夢を見て、上京してきました。一大心はこの全日本プロレスのプロレスラーであることに誇りを持っていました」と天を仰いだ。

 さらに「だから僕たちは一大心が誇ったこの全日本プロレスのリングをさらにキラキラにしていくんだという気持ちで前を向いていきます。プロレスファンの皆さんに1つお願いがあります。長尾一大心のことを思い出して日々を過ごしていただけるとうれしいです」と呼びかけた。その上で「僕たち全日本プロレスのレスラー、社員は一大心を一員だと今も思っているので。一大心の気持ちと一緒に前に進んでいこうと思います」と誓った。

 長尾さんへの思いを語った宮原は、正面を向くと「まだまだ俺は進んでいく。おい! チャンピオン! 斉藤ジュン。出て来いよ。覇者VSチャンピオンで俺たちの全日本プロレス、見せようじゃないか」と王者を呼び出し、23日の東京・アリーナ立川立飛での挑戦を表明だ。これにジュンも「その挑戦、喜んで受けるぜ。だが、このベルトは絶対に俺から離れることはない。宮原健斗、DOOM!」と受諾。決戦まで待ったなしとなった。