異例の直談判で頂上決戦へ団結だ。バレーボール男子の世界選手権(12日開幕、フィリピン・マニラ)に向けた壮行試合が2日に東京・有明アリーナで行われ、世界ランキング5位の日本は同15位のブルガリアに3―0で快勝。特別ルールで実施された第4セットも25―15で制した。51年ぶりとなる世界選手権の表彰台を目指す上で、攻守の中心を担う高橋藍(24=サントリー)は、地獄の合宿時に〝花火タイム〟を企画。チーム内の雰囲気を高めていた。
この日に24歳のバースデーを迎えた高橋が躍動した。ブルガリアの高いブロックを前に、鋭いスパイクや意表をついたフェイントなど、変幻自在の攻撃でチーム最多15得点を挙げた。試合後には「たくさんの方々の前で誕生日に勝つことができて、非常にうれしい。自分自身もいいプレーを出せたので、非常にいい誕生日を迎えられた」と声を弾ませた。
壮行試合前の8月11~17日には鹿児島・薩摩川内市で地獄の合宿を敢行。オフは1日もなく、複数の選手が「今までで一番キツかった」とこぼすほどハードな練習をこなした。高橋も「7日間連続で練習をしたのは、高校生以来かな。みんなヘトヘトだった」と苦笑いを浮かべるも、チームの結束は一段と強まった。
練習漬けの7日間は「フィジカルもしんどくなってくるし、頭もしんどくなってきた」と心技体を限界まで追い込んだ。それでも、各選手がコミュニケーションを数多く重ねる中で「バレーの感覚もよかったし、みんなでやるという団結力の部分は(ロラン)ティリ監督が求めていたところなので、みんなで成長できた」と一つの殻を破った。
進化を遂げたチームにおいて、高橋はコート外でもムードを高めていた。薩摩川内市での合宿は、60年以上の歴史を誇る九州屈指の花火大会「川内川花火大会」(同16日)と日程が重なった。そこで高橋は「合宿も6日目でみんな疲れてくる頃だし、オフもないので、リフレッシュがてら花火を見るだけでいいので行かせてほしい」と日本協会の南部正司強化委員長に直談判した。
高橋の熱意を感じ取った南部強化委員長らの計らいもあり、当日は人目につかない席で1時間ほど花火を堪能。自らの交渉で癒やしの時間をつくり出した高橋は「すごくいい思い出にはなった。もちろん来てない選手もいるけど、11人くらいは来たかな。なんだかんだみんな(花火に)行きたいんだと思った(笑い)」と頬を緩めた。
7月のネーションズリーグは準々決勝でポーランドに敗戦。ティリ監督の初陣は悔しいスタートとなったものの、高橋は「しっかりとチームが強くなってきた感覚がある」と手応え十分。確かな自信を胸に、最高峰の舞台でリベンジへの準備を進めている。












