セ4位の広島は22日の中日戦(マツダ)に延長11回の末、4―6で敗戦。3位・DeNAとのゲーム差は3のまま変わらなかったものの5位の竜には0・5に詰め寄られ、Aクラス入りどころかブービー転落の危険性も高まってきた。

 7回までに3点を先行した。ところが8回に一挙4点を奪われて逆転を許し、直後の裏に赤ヘルも同点に追いつくと延長戦に突入。それでも流れは好転しなかった。11回から5番手としてマウンドに立った中崎が先頭の4番・細川に四球を与えると一気にリズムを崩し、一死二、三塁でロドリゲスに勝ち越しの中前適時打を献上。さらに一死一、三塁から石伊にセーフティースクイズを決められ、2点のリードを許し力尽きた。

 延長10回まで先発・森を含め4投手が「無四球」で投げ続けていた。結果的に見れば、相手に与えた四球は延長11回先頭の細川のみ。その細川がくしくも決勝のホームを踏んだのだから、広島ベンチとしても看過できるような流れではないだろう。だが新井貴浩監督(48)は「(細川は)前の打席もホームラン打っているし細心の注意を払いながら、という感じには見えた」と振り返るにとどめた。

 4時間24分のロングゲームで投打で再認識したは四球の「効能」と「恐ろしさ」。あらためて打線も実感したはずだ。夏場はモンテロ、ファビアンの2人の助っ人が好機で勝負強さを発揮し、ここまで8月の全61打点中、約1/3にあたる21打点をマーク。一方でこの日奪った4得点は適時打4本で、全てシングルヒットだった。そこに至る過程で効果を発揮したのが四球でもあった。

 2点を奪った2回の先制シーンは、まず一死から出塁した坂倉の四球がきっかけ。1点を追った8回にも無死一塁から矢野が四球による出塁で好機を拡大し、自ら同点のホームを踏んだ。

 2人の走者が打たずに出塁し、得点した。そもそも「奪四球増」に向けた取り組みは、今季のチームが組織ぐるみで意識向上を図っていた重要案件だ。3月のオープン戦期間中にはカウント3ボール1ストライクから打線に対し、首脳陣はあえて「待て」のサインを出すことで〝泥臭く〟得点を積み上げていく習性も身につけさせていた。

 開幕直後の3月下旬から4月にかけて広島はチーム打率、四球数ともにトップを誇る時期があったのも事実。しかしながら22日現在で111試合を消化し、奪四球数はリーグ5位の264個と思うように伸ばせていない。

 対照的なのは首位をひた走る阪神だ。チーム打率を見ると広島が2割4分3厘、阪神は2割4分4厘。両軍ともに2割4分台でほぼ変わらないとはいえ、奪四球数では猛虎がリーグトップの347個を誇り、赤ヘルを大きく突き放している。奪四球数の差がチームの総得点(阪神=381、広島=341)と少なからず関連していることは否めない。

 この日は攻撃面で奪四球の重要性を再認識したことを成果として捉えた一方、皮肉ながら最後に怖さも味わう立場になった。たかが四球、されど四球――。投打におけるその攻防も、残り試合で浮上の鍵を握る。あらためて教訓とすべき惜敗だった。