それにしても強い。阪神が29日の広島戦(甲子園)で今季8度目となる1―0の零封勝利。対広島に至っては9連勝と勢いが止まらない。

 優勝マジックの点灯こそお預けとなったが、藤川球児監督(45)は「全てが(監督として)初めての経験。ブレることなく、自分たちのペースで戦っていきたいと思います」と話しながらも、どこか余裕すら漂わせた。

 初回に大山の適時打で先制すると、先発した大竹が7回無失点で抑え、石井、守護神・岩崎のリレーで最少リードを守り切った。貯金は今季最多の「21」。2位の巨人も11ゲーム差に突き放し、もはや非の打ちどころがない状態だ。この状況に、春先から就任1年目の虎将の采配に懐疑的な目を向けてきた〝うるさ型〟たちも感服しているという。

 関係者の一人は「建前は置いといて、昔から選手は基本的に自分の成績が一番。その次にチームの勝利というのが本音。そういう意味で今の主力選手たちはある程度、自由にやらせてもらって、スタッツは上位を占めていてチームも首位でしょ。特に投手陣は最高でしょ。過去の阪神にありがちだった『ノイズ=不協和音』が、ほぼ聞こえてこないもんね」と打ち明ける。

 チーム防御率は12球団ダントツの1・93。かといって、救援陣で極端な登板過多の投手もいない。新指揮官でありながらバランスが取れた采配で、リーグ首位をぶっちぎるとあって、何かと物申したがるOBや評論家たちも結果で黙らせてしまったわけだ。

 コロナ禍を経て選手を取り巻く環境も激変した。かつての阪神といえば、いわゆるタニマチ筋とのお付き合いなど、真夜中の〝延長戦〟も盛んでチームに対する愚痴も外部に漏れまくっていた。しかし、現在は「そんな付き合いも激減ですよね。これが成功例となれば、この傾向が続くでしょう」(前出関係者)とマイナス要素は見えてこない。

 一部では勝ち過ぎて面白くないとの声があるのは事実。だが「暗黒時代よりマシでしょ」(同)という主張は的を射ているといえそうだ。