鷹の上昇機運をさらに高めるゲームだった。ソフトバンクは26日のオリックス戦(みずほペイペイ)に11―3の大勝。前半戦から続く連勝を「7」に伸ばした。貯金は今季最多を更新する「18」。大事な後半戦初戦で攻撃陣が14安打を集め、11得点と活発だった。

 3回に2点を先取されるも先発・有原が立ち直って7回2失点。右腕の粘りに応えるように、打線が奮起した。逆転した6回の4得点で主導権を奪い返し、不穏な空気が漂った終盤は大量得点で流れを断ち切った。

 8回に追撃ムードだった相手の戦意をそいだ。勝利の方程式の一角を担う2番手・松本裕がソロを被弾して1点差に詰め寄られた直後の攻撃。牧原大、周東、川瀬の適時打で4点を加えると、仕上げは山川穂高内野手(33)の15号3ランで相手に引導を渡した。

 勝敗がほぼ決した展開だったが、後半戦最初のゲームで山川に一発が飛び出したことは、チームにとって大きかった。小久保監督は「試合を決めるホームランだったけど、その前の四球もよかった。打つべき球は打ち、打つべきではない球は見極めて四球を取ってくれるのは大きい」と評した。

 山川は試合後「今日は集中力を持って、試合に臨めた。鬼ほど集中していた」とキーワードを自ら明かした。前半戦は主力に故障離脱者が相次ぎ、自然とマークが集中。打席の中で考えることが多かった。

「打ち方うんぬんっていうのは、今年継続できていないことがあった」と振り返った上で「集中することにフォーカスした方がいい。バットに当たった後の結果は自分で操作できないんで。それよりは一球一球に魂を込めるじゃないけど、残りの試合は全部そういうふうにやっていくつもり」と、きっかけとなる意識づけに大きな手応えを感じていた。

 キングの真骨頂とも言うべき、集中力。山川らしい打撃が戻ってきそうな予感が漂う一発だった。「どんな打席でも一打席は一打席」。大差がついた展開でも、いかに集中力を持続させるか。稼げる時に稼ぐ。プロ野球の世界で数多くのタイトルを獲得し、一流に上りつめてきた選手たちの共通認識だ。山川自身も、その意識を大事にして本塁打王4度の実績をつくってきた。

 山川がホームランキングに輝いた年、所属チームは過去3度リーグ優勝。この日の試合前、小久保監督は「前半のホームラン数は一緒ぐらいらしい。(昨季も今季も)14本だったって。今年も後半そのくらい打ってくれたら、十分に日本ハムを巻き上げられる」と変わらぬ信頼を口にしていた。

 昨季は後半戦56試合で20発を放った。今季は残り53試合。代名詞の一発を重ねるごとに成績は自然と安定し、相手への脅威は増す。多方面でチームに恩恵をもたらし、さらに好循環を生む。

 日本ハム・レイエスとは5本差。5点差がついた展開で描いた放物線の意味は、実に大きい。