阪神は18日に甲子園球場で全体練習を行い、前半戦最後のカードとなる対巨人3連戦(19~21日、東京ドーム)へ向け汗を流した。
藤川球児監督(44)は「東京ドームは、ほとんどの選手にとって嫌な記憶がない場所」と今季ここまで5勝1敗と、相性がいい敵地での戦いへ向けニヤリ。「開幕から同じメンバーでずっと戦えていることも大きいですよね」と、ここまで負傷離脱者をほとんど出さずに戦えていることにも手応えをにじませた。
ベンチ上には藤川虎のキーワードでもある「凡事徹底」を象徴するかのような〝ハエ取り紙〟がこの日も浜風にたなびいていた。
甲子園一塁側ベンチには、電動式で前にせり出すひさしが内部に格納されており、猛暑日や雨天時にはよく使われている。ナインたちの練習をベンチから眺めることが多くなった藤川監督だが、誰かがボタンを押そうとするとすぐに「おい、テープ貼っておけよ」と周囲のスタッフに指示することが、今や恒例の風景となりつつある。
ひさしの先端は鉄パイプ製。ベンチとグラウンドを何度も行き来する選手たちの頭がぶつかりやすい位置にあるため、何枚ものテーピング用テープを垂らして注意を促すことが狙いだ。
指示を受けたスタッフの対応が不十分とみると、指揮官自ら「テープが短すぎる。それだと選手は気付けない!」「動きが遅いぞ!」と叱ることも。過去には巨人在籍時の井納翔一氏(引退)がジャイアンツ球場での練習中に、鉄柵に頭を強打し複数針を縫う「頭部裂傷」と診断された事例もある。選手たちのコンディション管理に目を光らせる藤川監督だけに、負傷のリスクは少しでも排除しておきたいのだろう。
その場に居合わせていた年配の関係者は、何枚もぶら下がっていたテープを見て「ハエ取り紙みたいや。昔見たことあるわ」と苦笑い。会見などで自軍の戦略や情報を伏せるのも、選手の故障予防に腐心するのも、全ては試合に勝利する確率を数%でも上げるための合理的判断。凡事徹底の四文字を誰よりも実践しているのは、他ならぬ藤川監督その人だ。













