巨人は8日のDeNA戦(横浜)で延長12回まで戦い抜き、3―3で引き分けた。

 どうにかドローに持ち込めたのは「6番・捕手」で先発出場した甲斐拓也捕手(32)のひと振りだった。1点差まで追い上げた8回二死一、二塁のチャンスで、相手3番手・伊勢が投じた5球目を左翼方向へうまくはじき返して同点。その後の勝ち越しこそならなかったが、敗戦ムードを一掃する貴重な一打となった。

 終盤まで主導権を握られた中で発揮した勝負強さ。甲斐自身は「初回の満塁の場面でどうにもできなかったので、よかったです。何とか気持ち一本でいきました」と振り返り、阿部監督も「投手陣はみんな頑張ってくれたかな。野手陣も完全な負け(の展開)だったけどね。よく追いついた」とナインの粘り強さをたたえた。

 この日の甲斐は5打数2安打1打点で、打率はリーグ2位の3割7分5厘まで上昇。打撃好調の背景には陰の努力もあるようだ。1日の中日戦(バンテリン)にチームは2―3で惜敗。当日は4打数1安打だったが、試合を終えたナインが続々と宿舎へ引き揚げていった中、甲斐は静けさを取り戻した球場に残って黙々とバットを振り続けていた。

 居残り練習は実に約40分間。練習を終えた本人を直撃すると「いろいろと継続してやるべきことがあるので。(打撃が)いい日もあれば悪い日もありますし、自分ができることをしっかりやるだけです」と淡々とした表情で胸の内を明かした。

 育成契約からはい上がり、長らくソフトバンクの正捕手として屋台骨を支えてきた甲斐。新天地に移籍しても攻守で結果を残し続けられる裏には、相応の理由があるといえそうだ。