「ACN EXPO EKIDEN(エキスポ駅伝)」(万博記念公園~大阪・関西万博会場前、7区間54・5キロ)が16日に行われ、トヨタ自動車が2時間32分48秒で初優勝した。2位に富士通が入るなど地力を見せたが、実業団は直前で2チームが出場を辞退。〝中途半端〟な姿勢に、大学チーム側からは疑問の声が上がっている。

 実業団が大学生を相手に力を示すも、後味の悪い幕切れとなった。大学生と実業団の有力チームによる史上初の直接対決を前に、青学大の原晋監督(58)はガチンコ対決に期待を寄せていた。しかし、ニューイヤー駅伝2位のHondaは出場を回避し、大会3日前の13日にはニューイヤー駅伝覇者の旭化成と、Kaoが選手の体調不良や故障などで出場を辞退した。これには原監督も「直前になって2チーム欠場はありえない」と首をかしげた。

 直近まで各地で駅伝やマラソンが開催されており、コンディションが整わない選手もいた状況はやむを得ない。しかし、それは大学生側も同じだ。今大会で大学生チームトップの3位に入った国学院大の前田康弘監督(47)は「(出走メンバーが)あと1人故障したら(大会に)出られないぐらいの感じだった。みんなカツカツなんですよ」と顔をしかめた。

 箱根路を盛り上げる指揮官たちが、今大会の出場にこだわったのは〝普及〟への思いがあるからだ。原監督は今大会の継続を訴えた上で「いい選手、いいチーム、本物を子供たちに見せていくことが大事。日本の強化の柱は駅伝だから、駅伝を軸に全ての物語を組み替えていく柔軟な発想が必要なのでは。日本独自の駅伝を通じた普及活動と強化活動を両立していかないといけない」との見解を示した。

 少子化が進む昨今において、子供たちに陸上の魅力を発信することは重要だ。前田監督は「勝ち負けはもちろんあるけど、駅伝の楽しさを子供たちに知ってもらって、僕たち、私たちも駅伝をやりたいという状況をつくることが、一番僕たちが今やらないといけないこと」と声を大にした。

 駅伝ファンの誰もが夢見る戦いが実現したとはいえ、まだまだ課題は山積み。陸上界のさらなる発展へ、真の共闘が実現する日はいつになるだろうか。