西武の高橋光成投手(26)と平良海馬投手(24)の両右腕が5年ぶりV奪回の〝エンジン〟となりそうだ。

 この2年で西武は森友哉捕手(28=オリックス)、山川穂高内野手(32=ソフトバンク)がFAで流出し、打線の核を失った。

 破壊力を失った感が否めない打線はメジャー通算27本塁打のフランチー・コルデロ外野手(29=前ヤンキース)、同114本塁打を誇るヘスス・アギラー内野手(33=前アスレチックス)の新外国人頼みとなる。

 その一方で不確定要素の大きい打線に比べ、投手力の方は計算が立つ。

 先発ローテは昨年揃って2桁勝利をマークした高橋光、今井、平良の右3枚と2年目で9勝を挙げた左腕・隅田の計4枚が当確組。これにドラフト1位左腕・武内夏暉(22=国学院大)と2桁勝利の実績を持つ松本、与座、そして先発転向組の青山やボー・タカハシらが残りの枠を争うことになる。

 さらにブルペンも既存のリリーフ陣に山川の人的補償でソフトバンクから甲斐野が加入。最速163キロ左腕アルバート・アブレイユ投手(28=前ヤンキース)、同159キロ左腕ジェフリー・ヤン投手(27=前マーリンズ傘下)の新外国人との融合も含め「投手王国」を目指せる陣容で新シーズンを迎える。

 そして、その中でも「守り勝つ野球」をけん引する役割を担うのが、エース・高橋光と先発転向2年目の平良となる。二人の共通項は近い将来、ポスティングシステムを利用して明確にメジャー移籍を目指していることだ。

 高橋光は今オフの移籍直訴こそ実らなかったものの「将来メジャーでプレーしたい気持ちは伝えさせてもらいましたし、2024年は本当に勝負の年。このチームで何としても優勝したいですし30試合200イニングを投げたい。全ての成績でキャリアハイを目指し投手としてもっともっと上に行きたい」とあふれるメジャーへの思いを隠さない。

 平良も「(球団と)自分がどうしていきたいか、どうなりたいかという将来的な話はしました。それに対してどうこうは、今はないです」と将来的に高橋に続き、MLB移籍を目標に置く姿勢をのぞかせている。

 振り返ってみれば2018年に10年ぶりのリーグ優勝を果たした西武でも当時、国内FA権行使を胸に秘めた浅村栄斗内野手(33=現楽天)とポスティング移籍が確定的だった菊池雄星投手(32=現ブルージェイズ)が投打の両輪となってVロードをけん引していた。

 プロ野球は言わば、個人事業主の集団だ。いかに優勝したい強い動機があるか。その目に見えない「個人的動機の総和」が、まさにチームの推進力となる。だからこそ今季の西武には高橋光と平良の右腕コンビがモチベーションを高めることでチームを引っ張り、18年シーズンの再来となるような快進撃を見せる予感も漂う。