これでは、野球ファンがサッカーへ逃げても文句は言えない。7日(日本時間8日)にニューヨークのシティ・フィールドで行われたロイヤルズ―メッツ戦が一夜明けた今も酷評の嵐にさらされ、大きな話題となっている。ロイヤルズが16―12で勝利したとはいえ、両軍合わせて32安打の超乱打戦は確かに「好試合」と評せるような内容ではなかった。翌8日(同9日)の同カード2戦目は本拠地のメッツが6―2で雪辱したものの、ナ・リーグ東地区最下位のチームは今季39勝54敗の借金15。一方のロイヤルズも今季38勝55敗の借金17でア・リーグ中地区最下位に沈む。
7日のゲームを振り返れば、とにかく誰が見ても今季のレギュラーシーズンで低迷する2チームの惨状を、そのまま9イニングに凝縮したような〝泥仕合〟だった。象徴的だったのが初回2死一、二塁だ。メッツのベンジが放った投手前への緩い打球を、ロイヤルズ先発のルーゴが処理したものの一塁へ悪送球。一塁守備に就いていたカグリオンが拾って三塁へ投げた球も大きくそれ、最後三塁守備に就くロフティンの本塁送球まで〝あさっての方向〟へと転がった。1プレーで3人に送球失策が記録され、走者全員が生還。ベンジは、いわゆる「ランニング本塁打」もとい「リトルリーグ本塁打」で一気に本塁まで駆け抜けた。
米メディア「SB NATION」は8日(同9日)、このプレーを「今年のMLBで最も悲しいプレー」と断罪。試合そのものも「辛うじて野球に似ている」「MLBのふにゃふにゃ麺の戦い」「今年最も愚かな試合」と酷評し、リトルリーグの名を使うことさえ「子供に失礼だ」とまで切り捨てた。
しかも同メディアいわく「笑えたのは序盤だけ」だった。メッツは4回までに9―4とリードしながら、5回に5失点して同点。7回にはメジャー初登板のシーリンガーが7失点し、中盤以降からロイヤルズに計12点を奪われて9―16とひっくり返された。メッツは13安打12得点を挙げながら敗れ、本拠地で11点以上を奪っての黒星は球団史上初の屈辱。勝ったロイヤルズも19安打16得点の裏で3失策を犯しており、乱打戦というより守備も投手陣も崩壊した「消耗戦」だった。
8日(同9日)深夜放送の米スポーツ専門局「ESPN」の番組「SportsCenter」も、この醜態を見逃さずあらためて取り上げた。米国内などで開催中のサッカーW杯を引き合いに「こんなプレーを見せられたら、多くのファンがMLBからサッカーへ流れてしまうのでは」とジョーク交じりに揶揄。世界最大級のスポーツイベントと真っ向勝負する時期に、おおよそプロとは呼べないプレーをさらせば、ファンの関心まで奪われかねない。史上最悪級の一戦の波紋はいまだ沈静化しておらず、皮肉にもMLB全体への痛烈な警鐘にもなっているようだ。












