夢を追い続けるより、今は一度「店じまい」した方がいいのかもしれない。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は9日(日本時間同日)、今季の躍進を期待されながら失速したアスレチックスに対し、トレード市場で「買い手」に回るのではなく、潔く「売り手」へ転じるべきだと異例の提言を突きつけた。
アスレチックスは8日(同9日)のタイガース戦にも1―6で敗れ、5連敗。41勝51敗でア・リーグ西地区4位に沈み、ワイルドカード圏までも5ゲーム差となった。直近10試合は1勝9敗。開幕前から若手の成長を背景に上位進出が期待され、一時はリーグ屈指の強豪へ化ける兆しも見せたが、その面影は急速に薄れている。
今季のトレード期限は8月3日午後6時(日本時間4日午前7時)。同誌は、混戦のア・リーグで投手を数人加える案にも一定の理解を示しながら、チームには投手陣を中心に穴が多過ぎると指摘した。潤沢な資金力もなく、今から有望株を差し出して補強しても「リスクがリターンを10倍上回る」と断じ、1度の取引で優勝争いへ浮上することはなく、届いてもせいぜいワイルドカードだと切り捨てた。
同誌は「フロントの沈黙ぶりを見れば、今から追い上げを仕掛けるには手遅れかもしれない」とも指摘。ファーム組織を壊してまで勝負に出る価値はないと結論づける。ならば、進むべき道は逆だ。ジョナ・ハイム捕手(31)、球宴選出のシェイ・ランジェリアーズ捕手(28)、放出の可能性は低いジョシュア・クロダ=グラウアー内野手(23)らを市場に出し、見返りとして「トップ100」級の投手有望株を狙うべきだと主張。何も決断しないことこそ、将来性を損なうと警告した。
再建の時間軸から外れる高額ベテランまで整理する覚悟を固めるなら、潤沢な資金力を誇る同じ西海岸を拠点とし、世界一3連覇を目指すドジャースへ〝売り飛ばす〟選択肢も浮上する。中途半端な駆け込み補強で傷口を広げるより、強豪から若手を引き出してリスタートを図る方が得策というわけだ。
期待値が高かった分、失速の落差は大きい。コッツェイ監督率いるアスレチックスに必要なのは、見果てぬ夢へ全てを賭けることではない。「今季は潔く諦めろ」という冷徹な現実論が、フロントに決断を迫っている。












