スピードとパワーを兼ね備えた〝PCA〟が、またもメジャーの先頭を突っ走った。カブスのピート・クロウアームストロング外野手(24)は8日(日本時間9日)、敵地カムデン・ヤーズでのオリオールズ戦に出場。3回に20号ソロ、5回には勝ち越しの21号ソロを放ち、9―7の勝利を呼び込んだ。これで今季21本塁打、23盗塁。MLBで今季最初に「20本塁打―20盗塁」へ到達した。
しかも一番乗りは昨季に続いて2年連続だ。愛称の頭文字から「PCA」と呼ばれる24歳は昨季、31本塁打、35盗塁で球団史上2人目の「30―30」を達成。カブスで2年連続20―20は1993~95年のサミー・ソーサ以来となった。年間20本塁打と20盗塁は、長打で得点を生み、自らの足でも好機を広げる万能型の証し。2年続けて前半戦で到達し、MLB全体の先陣を切った意味は大きい。守備でも昨季ゴールドグラブ賞に輝いた万能ぶりが、その価値を一層押し上げている。
米メディア「ヘビー」は同日、その進化を特集した。今季成績は打率2割9分6厘、21本塁打、52打点、23盗塁、OPS0・928。攻守走を総合評価するfWARは同試合前の時点で5・5とMLBトップだった。92試合を消化して残り70試合。40―40へはあと19本塁打、17盗塁が必要だが、現在の勢いなら夢物語とは言い切れない。
もっとも、本人に浮かれた様子はない。試合後は「まだ野球はたくさん残っている」と語り、最後の打席を振り返って翌日の対戦に備える姿勢を示した。昨季は8月以降に本塁打4本、後半戦OPS0・634と失速しただけに、シーズンを通した持続力が次の課題となる。
カブスはこの勝利で52勝40敗。ナ・リーグ中地区首位ブルワーズとは6ゲーム差があり、ワイルドカードでは首位ながら、圏外のカージナルスとは3・5ゲーム差と安泰ではない。同日深夜放送の米スポーツ専門局ESPN「SportsCenter」でも、番組アンカーが「彼はシカゴの天才だ」と評し、カブスが10月まで生き残る上でPCAの奮闘が鍵になるとの見方も示した。
昨季後半にしぼんだ勢いを、今季は最後まで保てるか。その持続力は個人記録だけでなく、チームの秋をも左右する。カブスの命運は、若きPCAのバットと足、そして広大な守備範囲に託されている。












