ついに牙城を崩した。ソフトバンクは7日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に6―3で逆転勝ちし、貯金を今季最多の「18」とした。

 ヒーローは塁上で満面の笑みを浮かべていた。1―2で迎えた3回無死二、三塁。3番・近藤健介外野手(32)はフルカウントからのツーシームをしぶとく中前へ弾き返した。二者が生還して逆転。殊勲打を放った近藤は「ここまでジェリー投手に対して結果を出すことができていなかった。大事な場面でタイムリーという結果を出すことができてよかった」と胸をなで下ろした。

〝4度目の正直〟で天敵を攻略した。相手先発のショーン・ジェリー投手(29)には今季3度対戦し、計18イニングでわずか1得点。213センチの長身から繰り出す見慣れない軌道と、同じ球速帯のカットボール、ツーシームの見極めが打者を狂わせてきた。防御率0・50に抑え込まれてきたが、この日は3回途中で降板に追い込んだ。

ソフトバンクにとって難攻不落だったオリックスの右腕ジェリー
ソフトバンクにとって難攻不落だったオリックスの右腕ジェリー

 球界屈指の好打者・近藤も全く打てていなかった。試合前まで8打数無安打、4三振、1四球。その事実がチームに与える影響は小さくなかった。チーム内からも「前回対戦でも全く気配がなかった。あの近藤がそれほどまでに抑え込まれる相手。他球団が攻略する姿にみんな首をかしげるほど、苦手意識が充満している」との声が上がっていた。

 負の連鎖は続くのか、断ち切れるのか――。近藤のバットにかかっていたと言っても過言ではなかった。今季ここまでリーグ3位の打率2割9分6厘、同2位タイ20本塁打、同1位の64打点。「NPB最強」とも称される打者が繰り返し打ち取られれば、チーム全体の苦手意識が膨らむのも致し方ない。それだけに、この日の決勝打が持つ意味は大きかった。

 今季は「僕らがしっかりと打たないと試合にも勝てない」と、これまで以上に主軸の自覚を持って臨んでいる。近藤が意地を見せ、託されたミッションを完遂した。