阪神は7日の巨人戦(東京ドーム)に3―4で競り負け、首位の座から陥落した。藤川球児監督(45)率いる猛虎は継投判断に加え、代打策もかみ合わず、白熱の首位攻防第1ラウンドを取りこぼした。

 中8日と万全の状態で送り出した先発・高橋遥人投手(30)は、3―1と2点リードで迎えた7回二死満塁の場面で、代打・坂本に走者一掃の二塁打を浴び、計4失点でKO。試合前時点で10勝0敗、防御率1・29と向かうところ敵なしだった無双左腕に、ついに土がついた。

 指揮官は「また明日以降、やっていくしかない。高橋はこれまでああいうところでキチッとイニングを終わらせてくれたので。また次、同じところで投げ切ってくれると思う」と苦い表情で振り返った。試合後はビジター監督室に安藤投手コーチ、日高バッテリーコーチを呼び、約10分間の話し合いの場を持った。

 球団史上初となる連覇を目指す猛虎だが、主力の負傷離脱などにも悩まされ、巨人、ヤクルトとの三つどもえ状態からなかなか抜け出せない。7月に入ってもここまで月間1勝3敗と黒星が先行している。

 この日の一戦は、巨人・橋上監督代行の新体制が発足して以降初となる伝統の一戦だった。新たな敵将は勝負どころの7回二死一、二塁で、支配下登録されたばかりの新鋭・知念を代打で投入。背番号がまだ「003」のままだった若武者は、セ界最高峰の左腕・高橋から執念の内野安打をもぎ取り、坂本の千両役者ぶりを見せつける決勝打につなげた。

 球界で長年にわたり参謀畑を歩んできた百戦錬磨の策士の勝負勘だけでなく、三軍制という過酷な淘汰(とうた)のプロセスの中で若手を発掘する組織力の強じんさも含め、名門球団の底力が凝縮されたワンシーンだった。

 いや応なく訪れた変化の風の中、徐々に生まれ変わりつつある宿敵は、セ・ディフェンディングチャンピオンの猛虎にとってもいよいよ厄介な相手となってきた。橋上巨人への印象を問われた藤川監督は「そこについてはコメントを残すべきではないと感じています」と冷たい表情で口を閉ざした。

 昨季と同様に連覇を目指していた2024年の岡田阪神に待ったをかけたのも巨人だった。いつの時代になっても、ホンマに難儀するわ――。