勝ちすぎ、集めすぎた代償が、まだ見ぬ〝金の卵〟にまで及ぼうとしている。米メディア「ファンサイデッド」運営のドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」は7日(日本時間8日)、ドジャースが2026年MLBドラフトで描いていた青写真にぜいたく税のペナルティーが直撃していると報じた。同ドラフトはフィラデルフィアで開催されるオールスター週間中の現地7月11、12日(同12、13日)に実施予定。常勝軍団として大物を獲り続けてきたツケが、今度はアマチュア補強の現場に回ってきた格好だ。

 現在の労使協定では、年俸総額がぜいたく税の基準額を4000万ドル(約62億8000万円)以上超える〝金満ライン〟に達した球団は、最初のドラフト指名順位が10位繰り下げられる。ドジャースは本来なら1巡目終盤の30位前後で動けたはずが、実質的には40位付近へ後退。しかもFA補強に伴う指名権喪失も重なり、同メディアによれば、今年のドラフト全体で使えるボーナスプールは395万1900ドル(約6億2000万円)にとどまり、メジャー最少規模になるという。

 これで狂いが生じたのが、アンドリュー・フリードマン編成本部長(49)の〝拾い上げ戦略〟だ。資金力だけでスターをかき集めるのではなく、故障歴や進学希望などで評価を落とした逸材を、育成力と資金配分で射止めるのが「ドジャース流」だった。候補に挙がっていたのが、UCLAのローガン・レデマン投手(21)、サウスカロライナ州クライスト・チャーチ・エピスコパル高のボー・ローランス内野手(18)、マサチューセッツ州ビショップ・フィーハン高のブロディ・ブミラ投手(18)の3人。レデマンは今春に評価を高めながら腕の疲労で離脱。ローランスはバージニア大進学の可能性があり、ブミラも過去に投球する左肘の靱帯修復手術を受けており、上位指名を狙う球団にとってはメディカル面の不安材料となる。それでも健康面や契約条件をクリアできれば、1巡目終盤でこそ妙味が出る素材だった。

 だが指名順位が下がり、使える契約金も削られれば話は別だ。欲しい選手が残っていても、提示できる条件で他球団に見劣りしかねない。大谷翔平投手(32)らを擁する王朝は盤石でも、その裏側で未来の選手層づくりには確かな制約が生じている。強すぎるドジャースが直面するのは、弱点ではなく、勝者にだけ課されるぜいたくな足かせだ。