昨季、38年ぶりとなる日本一に輝いた阪神は5日に兵庫・西宮市内の甲子園球場室内練習場で年賀式を行い、2024年の業務をスタート。1日付で背広組のトップに就任したばかりの粟井一夫球団社長(59)も「フロントもキャリアハイを目指すことで、今年は連覇を狙いたい」と球団職員たちへ猛ハッパをかけた。営業畑出身の粟井新社長だけに「金策」はお手のもの。戦力が充実し、黄金時代到来の予感を漂わせる令和の虎だけに〝先立つもの〟は必要不可欠だ――。

 日本一特需もあり、昨年末には「過去最高の決算を見込んでいる」と語った粟井社長だが、もちろん手綱を緩めるつもりはない。

「野球界は勝たないと大きな数字にはならない。収益を最大化することも大切だが、平準化することも大事。勝つ時も負ける時もある事業ですし、負けてもある程度お客さんに喜んでもらえるように、おいしいビールや食べ物を提供し『負けてもちょっとは楽しかった』とお客さまに思ってもらえる球場にすることが私のこれまでの仕事だったので。これに『勝つこと』というテーマが加わったことが私の社長としての使命になると思っている」と抱負を語り、常勝軍団の構築へ腕をぶした。

 金庫に詰まった札束はさらに増やしていかなければならない。セ2位に終わった20年度の阪神の年俸総額は、12球団中7位の「22億7902万円」と〝お値打ち感〟が際立っていたが、昨年の日本一を受け、24年度の同総額はすでに「32億円」を突破。4年のうちに1・5倍近くにまで膨れ上がっている計算だ。

 さらに今季は順調にいけば青柳、大山らをはじめとした投打の主力勢が一斉に国内FA権を取得する見込み。チーム最高額の年俸3億2000万円で今季の契約を更改した近本も翌25年中には同権利を獲得する可能性がある。いずれも複数年提示なら残留交渉では十数億~20億円以上の金額が必要と見込まれるだけに、今から少しでも〝貯金〟を積み立てておかなければならないのが実情だ。

 25年からの移転が決定している兵庫・尼崎市内の新二軍施設では、ファーム戦を有料化。売店、グッズショップなどの設置も予定されており、老舗球団の根強い人気を大幅にマネタイズすることが期待されている。多角的なグッズ展開や新規スポンサーの獲得に向け、タテジマ営業グループも常に虎視眈々。虎党たちの財布のヒモが緩んでいる今こそが大きなビジネスチャンスだ。粟井社長も「選手たちも頑張って稼いでもらわないと」と気前よく笑った。(金額は推定)