岡田彰布監督(66)率いる阪神は昨年、38年ぶりに日本シリーズを制覇。チームスローガンの「A.R.E(アレ)」が流行語大賞を受賞するなど、日本国内で大きな社会現象を巻き起こしたが、海を隔てた野球の母国・米国の野球ファンの間でも、猛虎の復活劇は大きな話題になったという。注目を浴びたのはケンタッキー州生まれのあの人形。メジャーリーグでもおなじみの〝呪いの物語〟だ――。
タイトルホルダーを多数輩出したこともあり、選手たちの年俸は軒並み大幅アップ。ハワイへのV旅行だけでなく、年末年始のバラエティー番組やイベント出演などで、栄光の虎戦士たちはバラ色のオフを満喫中だ。岡田監督も日本プロ野球界の発展に大きく貢献した選手、監督に贈られる「正力松太郎賞」を受賞。球団としては2003年の星野仙一元監督(故人)以来、実に20年ぶりの快挙となった。
岡田監督、そして星野さんより先に阪神で初めて正力松太郎賞を受賞したのが、1985年に監督としてチームを率い、球団史上初となる日本一に輝いた吉田義男氏(90)。長らく〝伝説のシーズン〟として虎党の間で語り継がれてきた「1985年の阪神タイガース」だが、その当時の出来事が今になって海を隔てた本場・米国の野球ファンの間でも話題になっている。
MLB.comでは「最も奇妙で風変わりな呪い。日本のセントラル・リーグでプレーするチームはファストフードチェーンに呪われていた」とし、猛虎史最大の都市伝説である「カーネルサンダースの呪い」と岡田阪神の日本シリーズ制覇をピックアップ。「非常に汚染されたドトンボリ運河(道頓堀)に投げ込まれた大佐(カーネルサンダース人形)の呪いを解くため、人気テレビ番組『ナイトスクープ』はサルベージ(回収)を何度も試みたが、成し遂げることはできなかった。2009年、道頓堀の定期清掃中に灰色の大佐はついに発見された。多少不気味ではあったものの、彼はまだほほ笑んだままだった」などなど、膨大な文字数を割きながら非常に詳しく解説している。
同記事内ではおせっかいにも「『Dame Tora(ダメ虎)』という日本語がある。『Dame』とは悪い、間違っているという意味。『Tora』とはタイガーのこと」とまで説明…。だが、日本球界に精通する米国出身のジャーナリストは「メジャーでも『ヤギの呪い(カブス)』や『バンビーノの呪い(レッドソックス)』などが長らくファンの間で語り継がれてきた。そういったスポーツチームにまつわる〝物語〟は米国でも愛されていますし、『出来の悪い子ほどかわいい』という感情は国は違えど野球ファンとして共感が沸くのでしょう」と語る。
伝説に彩られた栄光の85年。暗黒の90年代。21世紀初頭の劇的な復活と、その直後に訪れた「33―4」(05年)や「Vやねん大失速」(08年)の悲劇。全ての物語の渦中にいた岡田監督はついに38年ぶりの美酒を浴びた。ダメ虎の3文字を完全なる死語として葬り〝85年の亡霊〟とともに棺桶の中に閉じ込めた瞬間でもあった。













