次なる虎のブレーク男は、ハッキリ言うてこの男よ――。阪神・岡田彰布監督(65)が16日に行われた秋季キャンプ(高知・安芸)で投手陣のブルペン投球を視察した。

 そのなかで未来のエース候補として長く期待をかけてきた西純矢投手(22)について「1年前に比べたら全然アカンよな。投手コーチにピッチングスタイルを変えたほうがいい、今のスタイルじゃ無理やでって俺は言うたけどな。3球に1球くらいやで。キャッチャーが構えたところにほとんどいってないで。150キロ超えるボールでも、コースに投げ込まんとバッターは対応するよ。ハッキリ言うて」と厳しい言葉を投げかけ、奮起を促した。

 その一方でこの日、虎の日本一監督が賛辞を惜しまなかったのが、西純の隣で力強い投球を披露した育成の5年目左腕・川原陸投手(22)だ。「横で並んで2人投げとったらどっちが背番号2桁(支配下)か3桁(育成)か分からんで。ハッキリ言うて。(球数が)100球超えてからな、すごいやんか。あないして腕振れてストレート来るということは大したもんちゃう」とベタ褒めした上で「枠があるんやったらな。はよ決めてやったほうがええんちゃうん」と早期の支配下復帰まで示唆したほどだ。

 秋は岡田監督にとって〝ハッキリ言うて率〟高めの「見極めの季節」だ。第1次政権時の2007年秋季キャンプでは当時一軍未勝利だった大卒2年目左腕・岩田稔を「これは来季イケるで」と見抜き、翌08年シーズンに10勝を挙げるブレーク劇を演出。岩田はその後、長く虎の先発ローテを支える大黒柱へと成長した。

 第2次政権発足直後となった昨秋のキャンプでも、それまで長く二軍でくすぶっていた〝アラサー崖っぷち男〟木浪の素質をすぐさま見抜き、38年ぶりとなる日本シリーズ制覇の原動力となった「恐怖の8番打者」誕生につなげた。毎日のように足を運んだブルペンでは「ボールのキレがすごくあるよな。何か使いようはあるかもしれんな」と当時全国的には全くの無名選手だった村上頌樹投手(25)や石井大智投手(26)を連日称賛。村上は新チームのエース格として10勝6敗、防御率1・75と大きく飛躍し最優秀防御率のタイトルまでゲット。石井も44試合に救援登板し防御率1・35。チームのセットアッパーにまでのし上がった。

 その一方で粗削りな部分が目立っていた若き主砲・佐藤輝に対しては「本人の自覚で変えないとな。しっかり練習できなければアカンよ」と酷評されたことも…。背番号8はその後もシーズンを通し、指揮官からの厳しい言葉を何度も浴びてきたが、キャリアハイを大きく更新する92打点をマークするなど確かな成長を見せた。

 称賛する時も酷評する時も「ハッキリ言うて」くれるからこそ重みを増す百戦錬磨の老将のお言葉。この日の西純への厳しい評価も、そんなんオマエ期待の裏返しに決まっとるやんか。ハッキリ言うてな。