米大リーグ機構が11人のメンバーからなるMLB競技委員会による協議を経て、2024年シーズンへ向けたルール改定を決めた。

 投球間に時間制限を設定する「ピッチクロック」では、有走者での制限が23年の20秒から18秒にさらに短縮(無走者での15秒は変更なし)。そのほかにも首脳陣らがマウンドに行くことができる回数や、本塁から一塁への打者走者の走路を内側に拡大することなども決定した。

 MLBでは積極的なルール改正が行われている。23年にピッチクロックが導入され、日本でも大きな話題となった。さらに「ビガーベース」というベースの拡大案が採用され、一塁から三塁ベースの一辺の長さがそれぞれ15インチ(38・1センチ)から18インチ(45・72センチ)四方へと拡大された。これにより塁間が4・5インチ(約11センチ)も短くなった。

 さらにはけん制の回数制限(打者1人につき2回まで。3回目はけん制が成功しなければボーク)もかけられ、大幅な盗塁増が予想された。その通りにMLBでは盗塁数が激増。レギュラーシーズン合計で22年の2486個から23年は3503個という〝盗塁祭り〟となった。選手個々でいえば、ブレーブスのアクーニャJr.が自己最多の73盗塁、大谷翔平は2年ぶりに20盗塁に到達させるなど、数字を伸ばした。

昨季の大谷翔平(右)も20盗塁をマークした
昨季の大谷翔平(右)も20盗塁をマークした

 阪神OBで入団から5年連続盗塁王、通算381盗塁の赤星憲広氏(野球評論家)は「塁間の11センチも、けん制が2球までというのもすごく大きい。(日本で同じルールが導入されればNPB記録を持つ)福本豊さんの106個は無理としても、セ・リーグ記録(1983年、巨人・松本匡史の76個)はできたかもしれませんね(赤星氏の自己最多は04年の64個)。近年、盗塁の価値というものに疑問の声も大きくなってきてはいましたが、戦術的にもスピードを重視した野球の価値が再認識される流れになるでしょうね」と話した。

 本塁打と剛速球が本場野球の華ではあるが、スピードやクセを盗むなどの技術にも注目が集まれば野球の魅力も増す。MLBでは23年、平均試合時間が20分以上短縮され30球団中26球団で観客増となった。さてNPBはどう動くのか。今後の動きに注目が集まる。