女子プロレス「スターダム」の〝ゴールデン・フェニックス〟上谷沙弥(27)が、世界のイヨ・スカイ(紫雷イオ)超えを狙う。7月の試合中に左ヒジの脱臼および靱帯損傷を負い4か月の戦線離脱を余儀なくされたが、復帰2戦目となった2日の愛知大会では林下詩美(25)とのタッグでゴッデス王座を獲得。約3年ぶり2度目の戴冠で目指すのは現WWE女子王者が残した〝あの記録〟だ。

 2日のゴッデス王座決定戦で上谷と詩美の「アフロディーテ」は、タッグリーグ戦覇者の舞華&メーガン・ベーンに勝利。第30代王者に輝いた。

 王座獲得から一夜明け、取材に応じた上谷は「初めてこのベルトを巻いたときは、詩美さんに引っ張ってもらってた状況で、しかもすぐベルトを取られてしまってやりきれなかった部分があったんです。あれから3年がたって私たちがプロレス界を引っ張っていかなきゃいけないと思っているので、まず2人でベルトを巻くことができて本当にうれしく思います」と笑顔を見せた。

 2020年7月に2人で初戴冠した際はV2を果たすも、わずか5か月の短命政権に終わった。そのため、やり残したことが山積している。「他団体や海外の強い選手と戦ってみたいですし、詩美さんと記憶にも記録にも残る伝説をつくっていきたいです」と目を輝かせた。

 同王座の最多連続防衛記録はイヨと岩谷麻優の名コンビ「サンダーロック」が16年4月に樹立した「V10」だ。7年半以上も破られていない記録をアフロディーテが塗り替えることを目標に定めた。

 自信もある。上谷は今年3月、渡辺桃が長らく保持していたワンダー王座の最多連続防衛記録「V13」を塗り替える「V15」を達成。記録更新は大きな自信につながったという。

「お客さんの声援や試合への期待感みたいなものが変わったし、次々と挑戦者が出てきてくれたり、記録を更新して自分に対する周りの人の見る目や評価が変わったことを実感しました」

 くしくも上谷の所属ユニットは、イヨが立ち上げた「クイーンズ・クエスト(QQ)」。18年6月に米WWEに移籍した後に上谷がデビューしたためリングでは一度も交わることはなかったが、QQ創始者であり、空中殺法を得意とするという共通点でイヨを意識して練習を重ねてきた。

「自分もたまに使ってるバク転からのドロップキックとかは、イオさんの動画を見て研究したし、スターダム出身の選手がこうしてWWEで活躍されていてすごく尊敬しています。私たちがこのベルトに新たな伝説を刻んで、イオさんたちの海外での盛り上がりに負けないぐらい、輝きを放つ試合をしていきたいと思ってます」。帰ってきた不死鳥が、大きく羽ばたくときがやってきた。