何とか最悪の事態だけは逃れた。巨人は3日のDeNA戦(横浜)に8―7で逆転勝利。敗れれば、自力でCSに進出する可能性が消滅する一戦を相手のミスにも助けられ、薄氷の勝利を飾った。わずか1勝ながらチーム内からは「今日勝てなければ、前夜の野手登板の意味がまったくなくなるところだった」と安堵の声が漏れた。

 先発・井上が2回途中7失点KOの背信投球で3点リードから一転、3点を追う展開となった。

 2日は8点差の8回に野手の北村拓が登板し、「勝ち継投」のバルドナードと中川を温存。この日は松井、ビーディ、船迫、今村、バルドナード、中川と6投手が無失点リレーを披露しG投の意地を見せた。

 これに打線が応え岡本和の3戦連続となる37号ソロなどで反撃。8回丸の同点適時打、9回門脇の勝ち越し適時打が飛び出した。原監督は救援陣を「やりゃ~できるね。やりゃ、できるね」と笑顔でたたえると、「自力であっても他力であっても今日、勝利を収められたというのは大きいですね」と力を込めた。

 指揮官の言葉どおり、「この一戦」の重要度はチームの共通認識となっていた。球団関係者の一人は「野手登板となったのは打たれた自分たちの責任とはいえ、投手陣にとってこれ以上ない屈辱的なこと。温存した2人を使って今日、勝てなければ意味がまったくなくなる。投手陣のプライドをただ傷つけただけで終わるところだった」と明かした。万が一、黒星ならチーム内に〝不協和音〟が起こりかねなかったという。

 そんなピリピリムードを助っ人左腕は平然と受け止めた。7回から2イニングを無失点に抑え2勝目を挙げたバルドナードは、「(野手登板は)メジャーでもよくあることだし、ボクも何回か経験している。試合の中でも起こること。監督が指示を出せば従うしかないので。昨日のことは普通というか試合の中ではありえることですね」と自分の仕事をやってのけた。

 一方、野手陣も投手陣の苦境を何とかしようと一致団結。4安打3打点の丸は「この3連戦は投手陣が苦しそうだった。何とかカバーしたいと思っていた」と3戦29失点の投手陣を思いやった。

 もちろんわずか1勝で上位チーム相手の3カード連続負け越しと、3位まで3ゲーム差の苦境が一気に変わるわけではない。今後も自力CS消滅の危機は続いていくが、この日の白星を再浮上のキッカケにできるかどうかは、次戦以降にかかってきそうだ。