第105回全国高校野球選手権大会の第13日の準決勝第1試合は神村学園(鹿児島)が仙台育英(宮城)の前に2―6と力尽きた。
集めた甲子園の砂に涙がこぼれ落ちた。抜群の安定感でチームをけん引してきた左腕・黒木陽琉(3年)が、昨夏王者の痛打を浴びた。2回に先発の松永(3年)が同点に追いつかれ、早くもマウンドへ。3回にミスがからんで一死三塁のピンチを招き、4番の斎藤陽(3年)に勝ち越しのセーフティースクイズを決められた。
さらに一死一、三塁から暴投で追加点を献上し、6番・鈴木(2年)に得意のカーブをバックスクリーン右に運ばれる2ランを浴び、4失点…。好投を続けた左腕が初めて味わう屈辱だった。「勝ち越された時に気持ちが少し抜けてしまって自分を見失ってしまった。甘い変化球が入ってホームランにされた。反省点です。仙台育英さんは低めの変化球を徹底的に見逃し、浮いた球を打ってきた。強いチームだと思った」。
4失点後にベンチに帰り、小田監督から「まだ前半にあきらめるな」と叱咤され、気持ちを立て直して終盤まで本来の投球を取り戻した。打線は5回に増田(2年)の適時打で1点を返すが、高橋―湯田の鉄壁リレーを崩せなかった。
初の決勝進出はならなかった。小田監督は「ビッグイニングを作られたんで1点を取り返せば流れが変わると思ったが…。2点目を取りにいきたかった。簡単に打たせてくれない素晴らしい投手だった」と相手投手陣をたたえ、4強入りしたナインに「すごく成長を感じた大会だった。日本一を目標に練習も努力もしてきたが、これまでベスト8の壁を破れなかった。1つずつ挑戦していこうと、選手と一緒にやってきた。まだまだ力をつけないといけないが、よくここまでやってきた。こんなにたくましくなった選手が誇らしい。ありがとうと言いたい」と言葉を詰まらせた。
「もっと上の世界でやりたい。プロで一流になって日本を背負うような選手になりたい」(黒木)。この涙をさらなる成長につなげていく。













