第105回全国高校野球選手権大会(甲子園)は21日に準決勝が行われる。そんな中、強い覚悟を持って戦っている球児がいる。慶応・清原勝児内野手(2年)。かつて甲子園、プロ野球で偉大な実績を残した清原和博氏(56)を父に持つ18歳だ。

 胸の内には悔しさを抱えている。今春のセンバツには背番号「5」をつけて出場。確かな実力があって、つかんだ勲章だった。だが、この夏は背番号「15」。部員数106人を誇る競争激しい名門でレギュラーを張り続けることは至難だ。今大会は2回戦の北陸(福井)戦で7回に代打で出場し、痛烈なライナー性の左飛を放った。続く3回戦の広陵(広島)戦は出場機会がなく、準々決勝の沖縄尚学(沖縄)戦は6回に代打で出場して投ゴロ、三ゴロに倒れ、ここまで快音は響いていない。

 代打をコールされる際のアナウンスは、ひときわ大きな歓声に包まれる。注目度の高さが如実に表れるシーンだ。ゆえに、清原は毎試合決まって取材対応の対象となる。清原は報道における需要と供給を理解し、常に凜とした姿で応じている。

「取り上げてもらうことは特別なこと。そこにしっかりと感謝しています。いいプレッシャーではないですが、それをプラスに捉えて頑張っています」

 父はPL学園時代に甲子園に5度出場して歴代1位の通算13本塁打の記録を持ち、プロ野球では西武、巨人などで通算525本塁打を放った。とりわけ高校野球史に大きな功績を残したレジェンドだけに、この夏も「清原の次男」に注がれる視線は熱い。

 運命を受け入れつつ、葛藤もある。試合展開を問わず世間の興味、関心に応えるメディアの取材対象になることをどう感じているのか。清原はこう言い切る。

「打たなくても取材を求められるのは〝宿命〟だと思っています」

 それが身内や周囲の理解を得られず、板挟みとなることも考えられるが、清原はこうも続けた。

「そこはチームメートがいい人たちばかりで、本当に人に恵まれたなって思っているんです。みんなが(自分の立場や境遇を)理解してくれて、嫌な目を向けずに自分のことを尊重して接してくれるんです」

 多感な時期にさまざまな視線を受け止め、折り合いをつけて日々グラウンドに立ち続けている。確かに「代打・清原」のコールで、甲子園の雰囲気を変えたかもしれない。ただ、凡打で聖地の歓声を浴びることはありがたさとともに、歯がゆさもあったはずだ。

「だから、次こそはしっかり打って取材を受けるんだ、という意識を自分の中でつくってやっています」