DeNA・藤浪晋太郎投手(32)が22日の阪神戦(甲子園)に先発登板し、5回途中を5安打5奪三振5四死球1失点。課題の制球にこの日も苦しみ、早期降板を余儀なくされた。本紙評論家の伊勢孝夫氏は「結局、何も変わっていなかった」と右腕の95球に手厳しい評価。セ4位のチームは状態上昇の兆しも見え、3位ヤクルトに3差と接近しているだけに「いつまでも藤浪の再生にこだわるべきではない。相川監督はシビアな決断を下すべき」と右腕との〝決別〟を迫った。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】日本球界復帰後初となる甲子園での登板だっただけに楽しみにしていたが、制球に苦しみ球数ばかりが増えていくこれまで通りの姿には失望した。四死球の数はなんとか5つで収まったが、やはり課題は右のインコースへの抜け球。森下、大山らの主力右打者はどうしても恐怖で腰を引いてしまっていた。
3回に大山に死球を当ててしまってからは、右打者へのインコースにまともにミットを構えることもできず外一辺倒の勝負が目立った。必要以上に力まないフォームを心がけていたことには好感を持ったが、その代償として直球のアベレージは150キロ前後にまで低下。最大の武器である剛速球を失った上に、結局制球も定まらないままなら本末転倒だ。
DeNA打線は新加入助っ人のエンカーナシオンを4番に据えたことでつながりが良化し、迫力も確実に増した。セーブ失敗が続いていた守護神・山崎を抹消したことも当然だったと思う。このチームには、地力と実績を備えた選手が多いだけに今からでもまだまだ上を目指せる。だからこそもう一つの思い切った決断が必要だ。
藤浪は今季、もう一軍で使うべきではない。あれだけ制球に苦しみ相手の攻撃を長引かせてばかりでは、味方打線のリズムも狂うばかりだ。フロント主導の色彩が濃いとされるチームにおいて指揮官を務める相川監督は苦労も多いだろう。だが結局最後は、ユニホームを着た現場のトップが決めなければならないことだと私は思う。
ヤクルトが交流戦以降急失速してることを考えれば、DeNAは十分に3位までなら狙える。だが、毎年のように「優勝争いには一切絡めなかった3位」程度で終わるようでは、あまりにも寂しいし進歩がない。阪神には昨季のような強さがない。高橋にはさすがに疲れが見えてきているし工藤、木下らの若手リリーバーもシーズン最終盤まで現在のパフォーマンスを維持できるとは思わない。
2戦連続でサヨナラ負けとなったDeNAだが、第2戦もこの日の第3戦も、あともう一押しで勝てる展開だった。敵地3連勝も十分にあり得ただけに「もったいないな」の気持ちが強い。阪神と巨人から星を奪い続け、三つどもえに近い混戦に持ち込むことができれば、まだまだ何が起きるか分からない。だからこそ相川監督の指揮官としての覚悟が問われる。
(本紙評論家)












