世界一への最後のピースは、球界屈指の左腕しかいない。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は22日(日本時間23日)、ア・リーグ東地区首位を走るレイズに対し、タイガースのタリック・スクバル投手(29)をトレードで獲得すべきだと異例の提言を展開した。

 レイズは21日(同22日)、敵地トロントのロジャース・センターでブルージェイズに12―2で大勝。58勝42敗とし、2位ヤンキースに2ゲーム差をつけて首位を堅持した。開幕前は主力を放出して若手を補充したことから評価が低かったが、球宴をリーグ最高勝率で折り返すなど予想を覆す快進撃を続けている。例年通り、総年俸を抑えながら勝てる集団をつくり上げた手腕は見事というほかない。

 とはいえ、群雄割拠の東地区を制し、ポストシーズンを勝ち抜いて悲願のワールドシリーズ初制覇まで突き進むには、現有戦力だけで十分とは言い切れない。同サイトは先発陣が最優先の補強ポイントではないと認めながらも、2024、25年と2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたスクバルは別格と強調。今季も6勝5敗、防御率2・83、98奪三振をマークする球界最高峰の左腕を加えれば、短期決戦での破壊力は一気に増す。

 そこで示した〝妙案〟が、大胆な3対1の交換トレードだ。レイズがスクバルを獲得する代わりに、タイガースへジェイコブ・メルトン外野手(25)、ブロディ・ホプキンス投手(24)、ディーン・モス外野手(20)を差し出す。MLB公式の有望株ランキングでホプキンスは球団4位、メルトンは同5位。モスも同29位に位置する将来性豊かな若手で、将来を見据えるタイガースにとっても魅力的な見返りとなる。

 もちろん、今オフにFAとなるスクバルは数か月限定の「レンタル補強」。タイガースがさらなる上積みを求める可能性も高く、レイズにとっては虎の子の有望株を失う大勝負となる。それでも同サイトは、多少の払い過ぎは許容すべきだと主張した。後続のライバルも期限前に戦力を増強するとみられる以上、首位だからこそ守りに入る余裕はないというわけだ。

 レイズは08、20年にワールドシリーズへ進出しながら、いずれも頂点には届かなかった。低予算球団が巡らせた異例の勝負手で、最強左腕を引き抜くのか。スクバル獲得は単なる補強ではなく、球団史を塗り替えるための〝世界一への切符〟となりそうだ。