オリックス・中嶋聡監督(54)がさすがの〝人心掌握術〟で侍戦士再生に乗り出した。7日の巨人戦(京セラドーム)の試合前、WBCメンバーで現在は二軍調整中の宇田川優希投手(24)が合流。一軍選手と練習をこなしてリラックスした表情を見せ、ブルペンでは中嶋監督ら首脳陣が見守る前で投球を披露した。

 今季も開幕からセットアッパーを務め、9試合に登板して防御率1・17の内容だったが、昨年までの球威が戻らず、4月24日に「上半身のコンディション不良」で出場選手登録を抹消された。その後は二軍でも5試合で防御率10・38と振るわず、同じ侍メンバーの山本、宮城、山崎颯の後塵を拝する立場となっていた。

 それだけに、この日の〝臨時招集〟は大きな意味を持つ。首脳陣の一人は「現状を見る必要があった。面談し、投球を見ることで状況の把握をしたということ。パフォーマンスが出せないことで悔しさもあるだろうが、一生懸命にやっている」と評し、チーム関係者は「二軍選手を練習に呼んで投球を見るなんて珍しい。〝お前を忘れてないぞ〟ということ。久々にチームメートと話せてリフレッシュもできただろうし、メンタル的にも良かったはず。監督はさすがです。人間力ですね」と〝名采配〟に感心するばかりだ。

 育成出身の宇田川はプロ2年目の昨年に急成長を遂げ、同年7月末の支配下登録からリーグV、日本一、世界一と一気に階段を駆け上がった。この日は投手陣が崩れて0―10と完敗したが、チームは首位をキープ。3連覇を狙う上で欠かせない存在だけに、指揮官も思いもひとしおだ。