もう一人の大黒柱は…。巨人は28日の広島戦(東京ドーム)に5―4で逆転勝ち。勝利の立役者は、昨年7月以来となる1試合2本塁打を放った坂本勇人内野手(34)だった。打撃不振からの復活を印象づけた一方で、原辰徳監督(64)の菅野智之投手(33)への風当たりが強まりつつある。右ヒジの張りで開幕に出遅れ〝元エース〟への降格危機が迫っている。

 東京ドームが割れんばかりの大歓声に包まれた。まずは0―2の4回だ。二死一、三塁で坂本が変化球を左翼ポール際に放り込む値千金の2号逆転3ラン。さらに、8回には元同僚・戸根の直球を左中間席に叩き込む3号ソロでトドメを刺した。

 開幕から不振に苦しみ、22打席連続の無安打も経験した。スタメン落ちの屈辱を味わいながらも、今季初の猛打賞、4打点の大活躍。原監督は「まあ、しかし、このぐらいは打つよ」と一笑に付し、当の坂本は「とりあえず良かったなと思いますけど、本当に継続しないと。今日に限っては良かったですけど、なかなか継続できていないですし、そこに尽きます」。そして「開幕からこれだけ打てないのは初めてですけど、なんとか早く巻き返したいなと思っています」と繰り返した。

 いよいよ背番号6が復活のノロシを上げた一方で、投の大黒柱・菅野は足踏みが続いている。開幕前にコンディション不良を発症し、二軍での実戦復帰にも至っていない。先発ローテでは開幕投手を務めた新助っ人のビーディが4戦3敗と誤算で、ついに金曜日の登板から外れた。代わってこの日は支配下に復帰した高橋が今季初登板したが、3回2失点で降板。2番手に前回登板で59球だった先発要員の横川を中4日で送り込む、苦しいやりくりとなった。

 それだけに、実績十分の菅野が抜けた穴がいっそう浮き彫りとなってくる。球団スタッフは「もうすぐ戻ってこられるとは思うけど、本当に計算できるのは戸郷だけ。やはり両輪でローテを回ってもらいたい」と祈るような思いを吐露した。

 指揮官のギアも一段階上がっている。春季キャンプでは戸郷を「若きエース」、菅野を「円熟のエース」と称していたが、26日には戸郷を「ウチのエースですので」とキッパリと断言した。

 この言葉について、別の球団関係者は「これから菅野の力は必ず必要になると思うけど、現状は一軍の戦力になり得ていない。そうしたもどかしさはあると思う。戸郷を『エース』と言い切ることで、菅野の反骨心をあおる狙いもあるだろう」と分析した。

 このまま〝元エース〟になり下がってしまうのか…。チームを長年支えてきた背番号18の逆襲が待たれる。