浮沈のカギは〝急造信号機〟にもありそうだ。巨人・原辰徳監督(64)が16日から三塁コーチに川相昌弘総合コーチ(58)を起用している。開幕間もない時期に変更するのは異例だが、首脳陣たちからの進言を受け入れた。川相コーチがチームの得点に直結する同ポジションに就くのは実に8年ぶりで、敵情報の収集やアップデートに奔走している。

 25日の阪神戦(甲子園)は雨天のため試合前に中止が決まり、2連勝中のチームには思わぬ水入りとなった。打線が息を吹き返しつつある中、借金4の5位から浮上を目指す上で三塁コーチも一つのポイントに挙げられる。

 原監督が動いたのは開幕15試合目となる16日の中日戦(バンテリン)で、三塁コーチを亀井打撃コーチから川相コーチに変更した。大久保打撃チーフコーチなどからの進言だったといい「亀ちゃんが攻撃の時は三塁コーチにいる。デーブが1人で(ベンチ内を)行ったり来たりしていたけど、デーブが『そういうふうだとありがたい』と。打撃コーチ2人でベンチで指導する形。コーチ陣の考えに私が折れた」と説明。代役として第2次政権下の2015年8月から約2か月間、三塁コーチを務めた川相コーチに白羽の矢が立てられた。

 同ポストはまさに重要任務だ。ベンチからのサインを走者へ正確に伝達するだけでなく、走者を本塁に行かせるかどうかを瞬時に判断しなければならない。まさに指揮系統の中枢であり、得点に直結するポジションだ。そんな中で役割変更が告げられたのは、三塁コーチとなる前日の15日だった。

 川相コーチは「言われてすぐ次の日からだったから準備する時間はなかった。いつもシートノックや試合を観察して、ある程度は(相手の)守備力とかは(頭の中に)ある。ただ、15年の終わりのほうに2か月くらいやっただけ。ベンチにいた時とはちょっと違う形の見方で(現在の相手の)映像とかを見直さなきゃいけない」と突貫工事中という。

 それでも早くも好判断も披露した。2連勝を飾った23日のヤクルト戦の2回の攻撃だ。1点を先制し、なおも二死二塁の場面で秋広が放った鋭い右前打で、川相コーチは大きく腕を回して二走の大城卓に本塁突入を指示。大城卓はチームでも走力が劣るが、間一髪で追加点をもぎ取った。

「行けると思ったから回したんだよ。(右翼手の)サンタナの動きと肩、大城もセーフティーリードからシャッフルもしっかりとっていたからね。ほんのちょっとのこと。(チーム全体で)そういうところを今後やっていこうとしているよ」(川相コーチ)

 チーム本塁打数はリーグトップの18発を誇り、打線もつながり始めている。ゴーかストップか。川相コーチの的確なジャッジが得点力を左右しそうだ。