〝ロマン砲〟の最終形態は――。巨人は27日の阪神戦(甲子園)に0―15で歴史的惨敗を喫し、連勝が3で止まった。伝統の一戦で史上最悪の汚点を残した中、連勝の立役者の一人だった3年目・秋広優人内野手(20)がスタメンを外れた。相手投手との兼ね合いによるものだが、身長2メートル超を誇る若武者が進むべき道を巡って意見が割れている。

 まさに防戦一方だった。先発した山崎伊が3回途中8失点でKOされ、8回には4番手・今村が大量6失点。2度の打者一巡の猛攻を許したのとは対照的に、打線は相手先発・伊藤将の前に散発2安打で完封された。阪神戦での15失点は過去最悪。被安打19と失点数はいずれも今季ワーストを更新した。あまりにも一方的な展開に、試合後の原辰徳監督(64)は「結果的にこういうゲームになったわけですから。反省、対策を考えなければいけないね」とサバサバとした表情だった。

 沈黙した打線の中でこの日は秋広がベンチスタートとなった。指揮官は「(チーム)全体で戦っているのが変わっているわけではない」と説明。相手先発が左腕だったため、左翼で右打者のウォーカーを起用し、6回に代打出場した秋広は三直に倒れて連続試合安打が3でストップした。

 首脳陣の信頼を勝ち取るのはまだこれから。オフの自主トレでは爆食トレを敢行するなど、体も発展途上だ。球団OBのレジェンド・松井秀喜氏がつけた背番号55も背負うが、秋広を最終的にどういう打者に育てるかは定まっていないようだ。

 首脳陣の一人は「やっぱりホームランバッターだろうね。まだ若くてあれだけの体とリーチがある。これからさらにパワーをつけていけば、これまでにはいない大砲になる可能性は十分ある」と言う。

 その一方で、球団関係者は「体がデカいからホームランバッターだと思われがちだけど、タイプ的にはアベレージヒッターだろう。入団以来、秋広の打球はホームランバッターのように上がらず、ラインドライブ。その特性を無理に変えようとすると、かえって選手寿命を縮めることになりかねない」と警鐘を鳴らす。

 秋広は試合前でも阿部ヘッド兼バッテリーコーチとの二人三脚で、キャンプ並みのハードな練習に取り組む。一軍、そしてレギュラー定着へ「バッティングは練習めちゃくちゃきついですけど、トレーニングも兼ねていると思うのでまだまだ体を強くできるように続けていきたい」と意欲十分だ。

 無限の可能性を秘めるだけに、なかなか見えてこない秋広の未来予想図。前例がない規格外男はどんな大打者に成長していくのか。