勝てるチームへ変わりつつあるからこそ、温情は許されない。ホワイトソックスが、若手育成と勝利優先のはざまで難しい局面を迎えている。米メディア「ファンサイデッド」は、ホワイトソックスのエドガー・ケーロ捕手(23)の不振に焦点を当てた。昨季111試合で打率2割6分8厘、OPS・689を残し、今季は正捕手定着も期待されたが、ここまで27試合で打率1割5分4厘、本塁打0、5打点、OPS・420。攻守両面で伸び悩んでおり、同メディアは「限界点に達しつつある」と厳しく指摘した。

 背景にあるのは、チームの変貌だ。ホワイトソックスは6日(日本時間7日)、敵地アナハイムのエンゼルスタジアムでエンゼルスに2―8で敗れ、2連敗で17勝20敗。先発ノア・シュルツ投手(22)が2回に5点を失い、打線も4安打に封じられた。とはいえ、ア・リーグ中地区は首位ガーディアンズでも勝率5割という群雄割拠の様相で、ホワイトソックスは1・5ゲーム差の3位につける。もはや最下位低迷を前提に若手の失敗を飲み込む段階ではない。

 その象徴が村上宗隆内野手(26)だ。6日(同7日)現在、ルーキーイヤーながら開幕から37試合で14本塁打を放ち、アーロン・ジャッジ外野手(34)に次ぐ堂々のア・リーグ2位。打率2割3分7厘、28打点、出塁率3割6分9厘、長打率5割6分5厘、OPS・934と、粗さを補って余りある破壊力で打線の軸になっている。

 だからこそ、ケーロの不振はより際立つ。カイル・ティール捕手(24)が今年3月の第6回WBS参加中に右ハムストリングを痛めて離脱し、ドリュー・ロモ捕手(24)が台頭する中、捕手起用の再整理は避けて通れない。

 村上の一発がチームを勝負圏へ押し上げた一方で、勝てる可能性が見えたからこそ編成には非情な決断が求められる。再建途上の甘さを残すのか、勝負の季節へかじを切るのか。ホワイトソックスの現在地は、村上の14発だけでなく、外せない選手と外さざるを得ない選手を選び分ける局面に入ったことを示している。