安打か、三振か、四球か。それでも白球が上がれば、着弾点はフェンスの向こうだ。ホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)が、メジャー1年目から異様な存在感を放っている。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は8日(日本時間同日)、名物コラム「奇妙でワイルドな出来事」の中で村上の打撃をクローズアップした。注目されたのは、7日(同8日)現在で14本塁打を放つ一方、二塁打は1本、三塁打はゼロという極端な中身だ。

 村上は4日(同5日)に敵地エンゼルスタジアムで行われたエンゼルス戦で今季14号2ランを放ち、チームを6―0の勝利へ導いた。この一発で本塁打王争いではアーロン・ジャッジ外野手(34)に続くア・リーグ2位。7日(同8日)現在、37試合で打率2割3分7厘、31安打、14本塁打、28打点、28四球、55三振、出塁率3割6分9厘、長打率5割6分5厘、OPS・934。本塁打は同2位、打点は同3位、長打率は同6位、OPSは同8位、総塁打74は同7位と、すでに新人の枠を超えた位置にいる。

 一方で、三振数の55はア・リーグ最多。ジ・アスレチックは、このままのペースなら62本塁打という驚異の数値となりながら、わずか4二塁打、241三振、123四球という前代未聞のシーズン像になると指摘した。つまり、凡打で転がすより、空振りか四球か、あるいは柵越え。村上の打席は常識的な打者評価を揺さぶる「3択」になっている。

 チームも沈んでいない。ホワイトソックスは6日(同7日)のエンゼルス戦に2―8で敗れて2連敗となったが、17勝20敗で借金生活を強いられながらア・リーグ中地区3位。首位ガーディアンズまで2ゲーム差に踏みとどまっている。近年の低迷を考えれば、5月上旬の時点で地区首位争いに顔を出しているだけでも十分な健闘だ。

 その中心にいるのが、当たれば球場の空気を変える日本の大砲。荒さごと飲み込ませる村上の一撃は、再建途上のチームに最も分かりやすい希望を与えている。