屈辱にまみれた男たちの意地が浮上の原動力になるか――。巨人は19日のDeNA戦(佐賀)で昨季5勝の3年目右腕・山崎伊織(24)が7回1失点と好投し、今季初勝利をマーク。チームは5―1の逆転勝ちで連敗を2で止めた。今春キャンプ第1クールで離脱した右腕の復活投にチーム内からは「菅野組が意地を見せてくれれば…」との期待が高まっている。

 次代のエース候補生が圧巻の投球を見せた。2回に先制を許したが、力のある直球とここぞのフォークで追加点を許さない。そんな右腕を援護しようと、打線は2回にブリンソンの適時打と吉川の犠飛で逆転に成功。7回に吉川の1号2ラン、8回に中田翔の5号ソロが飛び出し、プロ3年生に今季初白星をプレゼントした。

 山崎伊は今春キャンプではコンディショニング不良により第1クールで離脱。この日が今季初登板でもあり「キャンプからちょっと出遅れてしまい、2か月間、トレーナーさんや二軍のコーチの方々にすごい支えてもらいながら、やっと一軍で投げられた。1勝できてホッとしている」と実感を込めた。

 連敗が止まったとはいえ、巨人は借金5で最下位。それでも若武者の奮投は明るい話題だ。原監督も東海大の後輩の好投に「もともといい投手ですから。これから痛いのかゆいの言わずにね、役割の中で自分を全うしてほしいですね」と、うなずいた。

 チーム内からは山崎伊の勝利に「菅野組のメンバーが一軍で意地を見せてくれれば浮上のきっかけになるはず」との声が上がっている。どういうことなのか?

 菅野がすべて面倒を見る「菅野組」の自主トレは山崎伊と昨季2勝の4年目・堀田に捕手の大城卓を加えて昨年12月、ハワイで行われた。1月からは大城卓を除く3人で場所を宮古島に移して練習を積んだ。

 背番号18が若きローテ候補たちにエース道を叩き込んだはずが、キャンプ第1クールで山崎伊、堀田がコンディショニング不良による二軍落ち。これには原監督も「全力で投げられない人を一軍に置いていられない」と怒り心頭だった。

 さらに開幕投手を務めるはずだった〝大将〟の菅野までもが開幕直前に右ヒジの張りで離脱。ファームでブルペン投球を重ねているものの、まだ実戦登板には至っていない。

 春季キャンプ中の菅野は登板予定を決めることなく〝オレ流〟で調整を貫き「メリットはめちゃくちゃあります」と話していたが、ビーディが急きょ開幕投手に回ることになるなどチームに迷惑をかけた。指揮官も「あれだけ時間を与えて投げられなかったわけだからね」とエースに手厳しかった。

 山崎伊がこのままローテを担い、その間に菅野が復帰。さらにシーズン中盤以降の苦しい時期に堀田も復活となれば、失った信頼も回復できる。「菅野組」がフル回転できるかどうかにチームの浮沈がかかっているといっても過言ではない。