【米ニューヨーク12日(日本時間13日)発】マーリンズのルイス・アラエス内野手(26)が11日(同12日)のフィリーズ戦で今季メジャー初、球団史上初となるサイクル安打を達成した。昨季のア・リーグ首位打者の偉業を誰よりも納得していたのが、メッツの千賀滉大投手(30)だ。

 アラエスが偉業を達成する前日――。千賀はしみじみと語っていた。

「すごい選球眼の持ち主ですよね、アラエスは。そして、何よりミスショットが少なすぎる。単純に『これはすごいバッターだな』と思わせられました。振らないとかではなく、自分が打てる場所が分かっているから、ストライクゾーンがはっきりしている。実際、僕が投げたボールで振らなかった球は全部ボール。ちゃんと見逃している。目がいいとかいうのもあるんだろうけど、自分の打てる球を確実に捉える技術がすごかった」

 先週、マーリンズと1週間で2度対戦。その表情と声のトーンから衝撃の大きさが伝わってきた。

 千賀の記念すべきメジャーデビュー戦で最初に対戦したのが左の巧打者・アラエスだった。カウント2―2からの5球目、外角低めに逃げるように落ちるフォークを泳ぎながらもしっかりコンタクト。メジャーで初めて投じた決め球のフォークを捉えられ、二遊間をきれいに抜かれた。

 敵地での2日(同3日)のゲームで2安打を許し、8日(同9日)の本拠地での2戦目も1安打1四球で対戦成績は通算5打数3安打1四球。印象も含め、完敗に近い受け止めだ。

 真剣勝負で味わった想像以上の衝撃。ただ、後日談を語る千賀はどこか楽しそうだった。育成入団から這い上がってきた男は〝高い壁〟を見つけると闘志に火がつくタイプ。アラエスのサイクル安打達成の報に、再戦へのモチベーションはさらに上がっているはずだ。