【米ニューヨーク8日(日本時間9日)発】名将もご満悦だった。メッツ・千賀滉大投手(30)が本拠地初登板となったマーリンズ戦で、6回3安打1失点の好投を見せて開幕から2連勝。最速は158キロ、奪った三振は6つで、メジャー初のクオリティスタート(先発6回以上、自責点3以下)を達成した。2回に「お化けフォーク」で3者連続三振を奪うなど、地元ファンの前で見せ場をつくり、実力を証明するマウンドだった。

 ここぞの場面で伝家の宝刀をサク裂させたが、前回の同戦からフォークの割合は29・5%から18%に大幅減。千賀は「日本の時から(同じ相手との)対戦が増えていけばいくほど、フォークボールを振らないようになる。相手も考えてきていると思うんで、そこに対して幅広くやっていくことは、僕のフォークボールというイメージがある中では仕方がないこと」。常時150キロ台後半の真っすぐで押し、前回よりも多用した精度の高いカットボールが有効で、曲がり幅の大きいスライダーで変化をつけた。いずれぶち当たる壁があることを覚悟して、磨いてきたものがある。
 
 真っすぐとフォークだけでは勝ち続けられない。スプリングトレーニング中、右手人差し指の腱炎でオープン戦2試合をフォーク封印で戦った。そこでの組み立てを評価していたのが、ショーウォルター監督だった。「彼がスプリットなしで投球するのを見ていたが、それはすばらしかった」。思考力、マウンド上での創意工夫に適応力の高さを感じ取っていた。

 1週間で2度を顔を合わせ、前回のデータが揃った中での今回の対戦。千賀の力量に疑いはなかったが、名将の見立ては確信に変わっていた。「お化けフォーク」を意識させて裏をかいて抑え込む姿に笑いが止まらなかった名将。「彼は打者が困難な対応を迫られる武器をたくさん持っている」。メジャー2戦2勝。メッツ陣営に驚きは全くなかった。